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1999年06月15日(Tue) 1ヶ月以上の北海道ロングツーリング! edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 00 with Panasonic Les Maillots W

はじめに。

 一年前の春、私は両親にこんなことを言ったことがありました。

「来年、もしかしたら仕事を辞めて北海道へ行くかもしれない」

 もちろん、本気で言ったわけではなくて、ただ「そうしたい」という希望をちょっと言ってみただけでした。

 しかしそれから一年。私は事情により失業し、時間だけはたっぷりとある日々を過ごすこととなりました。

 これはもう行くしかない。いや、行くために運命がこうさせたのだ。と、思ったかどうかはわからないですが、この失業を期に、北海道ツーリングはスタートとなったのです。

準備にあたり。

 テント泊がメインのツーリングは、以前千葉県で経験しているので、その時の反省を元に準備をすすめました。

 一番要である自転車は「レ・マイヨW」をチョイス。これに前後バッグを装備、その中には着替えや調理用のボンベ、食料、補修用パーツ、メンテナンスツールなどを押し込み、さらに出来うる限り、リアルタイムでの日記や画像のアップをしようということで、各種通信端末を用意。

 電脳関係の装備は以下のとおり。

  • VAIO 505G
  • ザウルスポケット
  • モバイルギア MC-MK32
  • デジカメ(Cannon PowerShot A5)
  • 一眼レフ(Cannon EOS 1000S)
  • 携帯電話とPHS

 買いたかったGPSは無し。GPSを買わなかったのは資金の問題もあるのだけど、今回はまたもや海沿いを走るということで、道に迷う可能性が低いこと、迷ったとしても秘境や山奥へ行くわけで無し、誰かしらに出会うことはあるだろうということで断念しました。(でもこの辺はほとんど言い訳^^;)

 いずれにしろ、html化、画像のレタッチ、ftpなどはVAIOでないと不可能であり、とはいえ、バッテリーはサブバッテリーも合わせてカタログ値で4時間が精一杯。しかもこちらは徹底的に宿を使わないという方向で行っているため、とてもじゃないですが毎日の報告は不可能です。バッテリーは目の玉が飛び出るほど高価(大容量タイプで定価?30,000!)なのでいくつも買えないし、バッテリーが切れた時点で全てが終わるという可能性は大です。(そうなるとVAIOなんか持って行っても重いだけで意味がないんですけどね) でも所々、宿には泊まる予定(この辺どうなるか全く未定)ではいるので、その時にまた復活するでしょう。(^^; また、PHSが届くところではザウルスによるアクセスが可能なので、webへの書き込みは出来ると思います。

全ルート概要

全ルート概要

 注:ルートを説明している地名は、市だったり町だったりと統一性がありませんが、「およそ」でみてください。

 残りのルートを走破した続編があります!

[ツーレポ] 北海道ツーリング 1日目 曇り 旅の始まり

 とうとう出発の日が来た。

 前日はあまり眠れずに、起床時間より30分早く目覚めてしまい、IRCなどしながらのそのそと準備を始める。

 午前3時、緊張とともに家を出る。やっぱり荷物の重さが堪える。ふらふらしながら夜も明け切っていない道を、もくもくと走る。タイヤは、圧が規定値ならばなんとか大丈夫そうだ。心もとないタイヤとは別に、まったく音を上げないフレームには恐れ入る。

 午前4時、浜松町到着。すぐさまパッキングを始める。あらかじめこれは練習しておいたのだけど、30分もかかってしまった。この間に、男性に声をかけられる。どうやら折り畳みに興味があるようだ。がんばってねと言ってその人は消えていった。

 さて、ここからが第一関門。このクソ重たい荷物を引きずって、空港まで行かなければならない。いきなり、浜松町のモノレール乗り場まで3Fの階段を、えっちらおっちらと荷物をかついで上る羽目になる。すでにもう汗だく。帰りはモノレールは使わないぞ、と思ったとか。とにかく、飛行機にさえ乗ってしまえばこっちのものだ。ほとんど人の居ないモノレールの改札で、始発が動き出すのをじっと待つ。そうしたらまたここで別の男性に声をかけられた。やはり折り畳みの話になる。

浜松町から昇る朝日
浜松町から昇る朝日

 空港。

 空港ってのはよくできているモノで、なるべく移動に支障をきたさないようになっているのがありがたい。搭乗手続きを済ませ、手荷物を預ける。お願いだから壊れて帰ってこないようにね。特にディレイラーとか。

777じゃなく、エアバス…かな?
777じゃなく、エアバス…かな?

 飛行機はこれで3回目だけど、なんでこう毎回金属探知に引っかかるのかな。って、原因はわかってるんだけど。(ベルトのバックル)

 搭乗口の天気予報によると、札幌は雨らしい…。え? 雨? ちょっと、聞いてないよ! どうしよう、一日目からいきなりコレかい。とはいえどうしようもないので、向こうについてから考えるとしよう。

 90分間の機内。眠いので寝ようか、それともメールでも書こうか。それとも…と、結局ぼーっとしていたらあっという間に到着。手荷物を受け取り、再び自転車を組み立てる。

 …と、またここで男性が近づいてきた。やっぱり自転車に興味があるらしい。どうなってんだ、最近は。(^^; その人は横浜の人らしいのだけど、やけに北海道の地理に詳しい。ついでに、「最近、バイク雑誌の増刊で、自転車ツーリングにも使えるガイドブックが出ているから買っておくといいよ」とまで言われてしまった。むぅ、ありがたいことだ。

 いよいよ、北海道ツーリングの始まり。雨はやんでいた。ラッキー。以前の反省を思い出し、とにかく無理をしないように走る。数キロ走ったところで今度はすれ違いざまにライダーからピースサインの挨拶をされた。こちらも手を挙げて返す。他にも軽自動車のおじさん。返事返せなくてごめんなさい。路肩が狭くて集中してたのです。

 1時間置きに休憩を取るようにする。とりあえず目指すは海だ。34号から234号線を(地図上で)下って235号に入る。道は「歩道がある道」「広めの路肩がある道」「路肩すらない道」が順番に来る感じ。正直な話、道は悪い。その上、道が見通しがいいせいかやたらとみんな飛ばす飛ばす。抜かれるたびにふらつく自転車を押さえつける。

 道もずーっと同じ感じなので、思った通り飽きる。飽ききったところで牧場を発見。おお、馬だ馬だ。ちょっと元気が出る。

馬 壊れたSL
馬と道すがら見つけた壊れたSL。

 上記の3種類の道、そして上がったり下ったりの決して楽しくはない道を進む。このあたりから「あ〜、何しに来たんだろ」などと始まる。

 慶能舞橋(けのまいばし)を越えて、地図を取り出し道を確認していると、一台の車がちょっと先で止まった。中からおばさんが出てくる。地図をしまって進み出すとそのおばさんが声をかけてきた。どうやら私が道に迷っていると思ってわざわざ止まってくれたらしい。思わず感動してしばらくそこで立ち話。話が宿泊場所に及ぶとすかさず「それならウチに来なさいよ」なんてまで言ってくれる。ううっ、ありがたいなぁ。でも、ここは好意だけ頂いて、丁重にお断りした。初日からこんな目にあっては、何日ものこの行程をこなせないと判断した…のかな、自分でもよくわからない。

 しかしそこから先、行けども行けども良い宿泊場所がない。やっと見つけたキャンプ場は、やっぱり恐ろしいほどの高台にあり(千葉の時もそうだった)、汗たらたらの状態で20分以上自転車を押して上っていったら管理人不在で使用不能。がっくりと力が抜ける。でもそんな気がしていたのでさっさと次、次、次、とどんどんパスしているウチにとうとう日が暮れかかってきた。まずいなぁ。野宿でもいいからいい場所を探さないと…と、ふと見つけた旅館の看板に「素泊まり3,000円」と書いてあった。あ〜、もうダメ。ごめんなさい、一日目から宿です〜。でも、初日にしては走りすぎ。明日はもっと短くする予定。これも宿次第。天気予報では天気が悪いらしい。早々に襟裳を目指した方がいいかもしれない…。

門別〜新冠間
高台からの景色。(門別〜新冠間。ちょっと記憶が…)

走行距離 95.38km
実走行時間 7h37m
平均速度 12.5km/h
最高速度 44.9km/h


1999年06月16日(Wed) 雨、ときどき曇り edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 2日目 雨と寒さとの戦い

 夜中にイヤな物音で目が覚めた。

「あ…雨?」

 っかー、もう降ってきたのかー。(;_;) でもしょうがない、今は寝るしかない…と、また布団にはいる。 よく考えると、昨日この旅館を見つけたのは正解だったかもしれない。キャンプ場でも雨はきついし、野宿ならなおさら。ここなら安いから遠慮なくもう一泊できる。って、なんかすでに目的を見失っているような気がしないでもないけど…。

 とにかく雨の様子を見るため、チェックアウトぎりぎりまで宿にこもる。

 9時に静内の宿を出発。天気は曇り。でも、いつ降ってきてもおかしくないような感じだ。

静内川をわたったところ。
静内川をわたったところ。

 国道235号をまたひた走る。とにかく景色が単調なので、あまりここで細かい説明はしない。というか、できない…というのが正直なところ。所々雨に降られる。しかし、本降りじゃないので雨具の上だけを着てしのぐ。雨具はそんなに高くないものだから、すぐに蒸れて、着ていても脱いでいてもいずれにしろ全身ずぶ濡れになっちゃうのだからあまり意味が無いな。

様似海岸の岩。
様似海岸の岩。

 今日は距離を短くするつもりだったのに、なかなか泊まれるところが見つからない。二日続けて宿はまずいし…。無理を承知で襟裳のキャンプ場へ行くしかないか…と、地図を広げる。地図上では一箇所確認できる。ちょっと遠いけど、距離的には無理は無いはずだ。

 襟裳岬へ向かう道へは行かず、国道336号線をそのまま走る。しかし、結構きつい上りが続く。歌別川を越えた時点で午後5時近く。まずいな。このままじゃ日が暮れてしまう。それに相当疲れてきた。 そう思いつつ進んでいると、あるところに、休憩用のパーキングエリアが現れた。はー、もうここにしちゃおうかな〜。と、座り込んだ途端、根っこが生えたようにもうその場から動けない。

 「ダメだ、もう今日はここで野宿にしよう」

 初の野宿(千葉の時は結局野宿は無かった)。しかもここはパーキングエリアだから地面はアスファルト。当然ペグ(テントを固定する杭)は打てない。その、打てない状態でテントを広げ、飛ばされないようにテント内の四方に荷物を置く。 怖いのは雨だけど、空を見上げる限りでは大丈夫そうだ。後はもう運を天に任せて眠るとしよう。

 しばらくしてまたもや嫌な物音で目が覚めた。

「ま、まさか…」

 雨だ。しかもそれなりに降っている。ひー! 勘弁してくれー! すぐさま飛び起き、バッグから大きなビニールを取り出して下にしく。とりあえず水がしみてきても大丈夫のはずだ。あー、どうなるんだろう。(;_;) と、思う間もなく今度は風だ。テントはペグで止めていないので、風が吹くと大きく揺れる。その度に目が覚める。

 くそー。なんだっていうんだ。…などと、愚痴を言っても始まらない。今は寝るしかないのだ。とはいえ、こんな状況で寝ていられるわけが無い。買っておいたウイスキーを一気にあおる。

 2〜3時間の後、雨は止んだ。助かった。そう思った途端、一気に眠りについてしまった。最後まで疲れた一日だった。

こんなところで野宿してました。
こんなところで野宿してました。

走行距離 89.38km
実走行時間 5h24m
平均速度 16.5km/h
最高速度 50.6km/h
積算距離 184.8km


1999年06月17日(Thu) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 3日目 すごいぜ襟裳!

 まどろんでいた。テントの向こう側が明るい。あれっ、寝過ごしたか!? と時計を見ると午前4時半。なんだこの明るさは。あまり経験のない日の出の早さだ。 午前5時半にテントを片づけ始める。思い切り曇っているのでわからないが、日は昇っているようだ。 さすがに寒い。防寒用の雨具を着込む。しばらくテントを乾かして、午前6時半出発。

 地図で確認したところ、このまま進むのはよくないと判断し、いったん道を戻る。336号線を外れ、襟裳岬方面へ向かう。距離は15km程とあった。アップダウンが激しいため、1時間以上かかって襟裳岬へ到着。このころにはすっかり晴れ上がり、素晴らしい景色を堪能した。

襟裳岬案内図 襟裳岬の絶景

有名な歌の歌詞
襟裳岬案内図と有名な歌の歌詞、そして岬の絶景。

 ここである青年に話しかけられる。私の持っていたカメラのズームレンズについて聞いてきた。こういうアプローチのされ方はは初めてだ。その後の話によると、彼はバイクでやってきていて、私とは反対方向の、時計回りで回っているのだとか。自転車で来た私にたいそう驚いていた。お互い旅の無事を祈って別れる。

アアッ川だって。(笑)
アアッ川だって。(笑)

 天気は暑いくらいにいいし、体調もいいので、今日も走れるだけ走ることにする。336号線を北上し、目指すは釧路方面。 ここから先の黄金道路と呼ばれる道は、もうとにかく美しく、感動の連続だ。空はどこまでも蒼く、海は美しいエメラルドグリーン。感動感動、そしてまた感動の連続。ああ〜、みんなにも見せてあげたい〜と、シャッターを切り続ける。

見てよ、この絶景を! こちらも最高〜!
見てよ、この絶景を!

 途中の、海に面した道端でお昼にする。ここで初登場のコンロ。お湯を沸かして、10食分買っておいたドライフード(ドライカレーとチキンライス)を作る。お湯を入れるだけだから簡単。あ、コーヒーが無いや。後で買っておこう。

 静かな潮騒と強い日差し、そして堪えられない景色の中、こんな食事でも十分堪能。さぁ再スタートだ。

 何個所か、崖崩れなのか、その予防なのか、工事で片側通行になっている所がある。冷や汗をかきながら通過。誘導員の中にはパートとおぼしきおばさんも居て、またそこでしばし立ち話。う〜ん、旅だなぁ。

 広尾町に入った。おー、久しく見ていないような気がする商店街…とまでは行かないけど、まともな店がある〜。目についた酒屋で水を購入。おーし、これでもう野宿も怖くない。 少し進むと、懐かしや、セブンイレブン発見。ここで今まで持っていなくて不自由していたフォーク、そして夜に食べようとインスタントラーメンを買う。ここでも店員のおばさんと話がはずんでしまった。

 時間は午後2時。さぁて、走れてもあと4時間。今日はどうなるかな…。と、5kmも走らないうちにテントの看板を発見。あああ、キャンプ場だぁぁぁ。と思う間もなく右折。今日はここが宿だ。

「シーサイドパーク広尾」

 キャンプ場、海水浴場、ポニー牧場、海洋水族科学館などがある施設だ。テント持ち込み、自転車で200円。う〜ん、リーズナブル。なにせ、10日居ても2,000円。おーまいがっ。 さくさくとテントを設営。シャワー施設が無いので、今日も体は拭くだけ。でも水道があるので水で髪を洗う。これでも十分だ。その後は着替えて、着ていたウェアはすぐさま洗濯。ふぅ、結構忙しい。

 ふと、急にビールが…。でもこの施設内には売っていない。あー、でも飲みたい〜! あ、そうだよ、さっき寄ったセブンイレブンがあるじゃないか! 速攻で空荷の、軽くなった自転車を走らせ、来た道を戻る。自転車は軽いから快調快調。ここでビールとつまみとインスタントコーヒーを買ってきた。帰りの道中はもうビールのCMのごとく、無我夢中。それだけにめちゃめちゃ美味い! あー、今日一日平和に終わりました。ありがとう。

今日の宿、シーサイドパーク広尾
今日の宿。

 今日も一日たくさんの人に挨拶を受けました。私と同じ旅姿の自転車少年、元気かな? 何人ものドライバーからも手を上げてもらいました。ありがとう、私は元気です!

走行距離 72.3km
実走行時間 4h30m
平均速度 16km/h
最高速度 55.9km/h
積算距離 257.1km


1999年06月18日(Fri) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 4日目 初転倒…。

 快適な夢の中、午前5時起床。のそのそとテントを片づけ、朝食。 午前7時過ぎに出発。さて、今日はどうなるか。

わざわざ押しているところを撮ってみました。(笑)
わざわざ押しているところを撮ってみました。(笑)

 10時半ころ、336号線のパーキングエリアでコーヒーを飲む。するとトラックの運ちゃんがこちらに歩いてきた。いつもの調子でいろいろ話す。話の途中、こんなことを教えてくれた。

「ああそう、まだ日が高いからそんなことはないだろうけど、ここで泊まったりしないほうがいいぞ。野犬が出るからな。しかもこの辺のは狂暴でタチが悪い」

 なんてこった、そうだ、そういう危険もあるんだ。 大切なことを教えてもらった気がした。その後もいろいろ話して別れた。

 実はここからあまり記憶がない。同じような景色ばかりだったからだ。しかし、十勝川にさしかかったときはその景色の良さに感動! わー、これぞ北海道!という感じ。

十勝川の絶景。
十勝川の絶景。

 吉野を通過。ここから道は根室本線としばらく平行する。電車に乗ろうかなぁと思いつつ、駅が見当たらないままどんどん通過。はぁ、無人駅だろうからきっとよく見てないとわからないんだろう。

 そのまま進むとまた道の工事だ。恐る恐る通過するも、置いてあったパイロンに左後ろのバッグが引っかかった。

「まずい!」

 そう思う間もないまま、バランスを崩して路側帯(1m程の落差)の斜面を、自転車ごと転げ落ちる。驚いたのは私よりも警備の人。こちらにすっ飛んできて、自転車を上げるのを手伝ってくれた。とりあえず自転車は何ともないみたい。ラッキーと言うしかない。警備の人にお礼を言ってとりあえずその場を離れる。しばらく進んで足の傷を確認。血だらけだ。擦過傷なので、ボトルのウーロン茶で傷を洗ってキズドライをスプレーする。さほどひどい傷ではないようだ。これ位のトラブルは承知の上。そのまま気にせずスタート。

 トンネルだ。怖い。通過中に後ろからトラックが近づいてくる。ひぃぃ。でも抜かないでいてくれる。助かるー。この間に一気にトンネル通過。トラックが抜いていく前にありがとうの挨拶。クラクションで返してくれた。

 トンネルを抜けた途端、右へ行くとキャンプ場があると書いてある。あー、ラッキー、今日はここだぁ! と右へ曲がる。しかし、行けども行けどもそれらしきものが無い。不安にかられながら地図を見る。まぁ、無くてもこのまま進めばいずれは国道に戻れる。行くだけ行ってみよう。

 どんどん進むと「2.6km先」と看板が。ホッとする。しかし、ついたその先はただの砂浜。なんだぁ? しかし、ちゃんと看板にキャンプ場と書いてある。しかし誰も居ない。管理事務所はあるのだが、人の気配が無い。ふと見るとここは7月から運営と書いてある。わはは、どうりで人の気配が無いはずだ。ということはタダで使っていいんだな、もうけー。

 今夜の夕飯は4分で茹で上がるサラダスパゲティにカレーマルシェをかけてカレースパゲティのできあがり。なにせ砂浜なので、炊事場も吹きさらし。風が強くてコンロもすぐに火が消えてしまう。建物の影に隠れるようにして、寒さと戦いながら何とか作り上げる。くぅ、なんだか情けなくなってくるな。でも美味いや。

 買っておいた250mlのリザーブも今日で空だ。こんな生活でも酒があれば楽しいものだ。というか、これしかもう楽しみが無い。 ラジオの天気予報によると、明日はやや冷え込むらしい。何にしても明日は釧路だ。4日ぶりだから宿に泊まりたいな。おいしいものも食べたい。はぁ、それにしても疲れた。風が強くならないように願いつつ、午後7時就寝。

十勝川の絶景。
一見まともに見えますが、反対側はもう砂浜です。(^^;

走行距離 93.73km
実走行時間 5h37h
平均速度 16.6km/h
最高速度 57.1km/h
積算距離 350.8km


1999年06月19日(Sat) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 5日目 そして釧路!

 午前5時前に寒さで起床。シュラフをすっぽりかぶっているのに寒い。相当冷え込んでいるようだ。ふと目を凝視すると、なんでかテントの上側がびたびただ。「?」と思って表に出ると、単なる夜露だった。

 ちょうど朝日が出てきたのでテントを分解してシートを広げ、乾かす。その間にコンロでコーヒーを入れる。うーん、朝はやっぱりコーヒーだよ。

 そうそう、カップなんだけど、これはなんだろ、ステンレス製かな? 買った直後はもうお湯など入れようものなら鉄臭くなって飲めたものじゃなかったのだけど、使っているうちに臭いがしなくなってきた。こういうのにも「慣らし」というのが必要なのかもしれない。

 昨晩は風がちょっと強かったけど、今朝はほとんど無風。これならこういうところも悪くない。やっぱり雨と風は勘弁して欲しい。

 テントを乾かしている間に、一台の軽自動車が入ってきた。排気音からすると2気筒のモデルと思われる。乗っているのはおじいさんだ。ちょっと気にして入ってきてくれたらしい。東京からきたと言うとお約束通り驚いてくれた。(^^; 今日は釧路まで行くんだと言うと、もっと驚き、それでも一日100km近く走ってますから〜と言うとさらに驚いてくれた。面白い。(笑)

「とにかく、盗難には気をつけて。まぁこの辺は悪い奴はそう居ないと思っているけど、中にはそういうのも居るからな」

 そう、一人旅で一番怖いのが自然よりもこういう人間だ。しかもこういうのに一度目をつけられるとどうしようもない。気をつけようが無い存在でもある。人間の敵は人間だなんて、どこかの低俗アニメみたいなノリだ。

 午前7時過ぎに出発。海岸線を北上する。数キロ走って国道38号線に合流。あと66kmとある。のんびり走っても5〜6時間だ。今日は時間を気にしないでのんびり行こう。

 直別、尺別、音別を通過。このあたりの景色はあまり代わり映えしない。暇だ。道は路側帯が狭いため、結構緊張を強いられる。そして白糠町を通過した。

 庶路にはいる。久しぶりにISDN公衆電話を発見。メールを落とそうと中にはいると、なんとコネクタの入り口がライターか何かの火で溶かされている。バカ野郎、なんてことしやがる! とぷりぷり怒って自転車に戻る。まさかなーと思いつつPHSの電源を入れるとアンテナが立った! やったー。千歳を抜けて1時間のところで使えたっきり何処へ行ってもダメだったのだけど、やっと使えるところに来た。

 とりあえずメールをダウン。ザウルスで掲示板に書き込み。

根室本線を走る電車。
根室本線を走る電車。

 釧路まであと30km。2時間くらいか。落ち着いた調子でのんびりと走る。そして釧路大橋を通過。釧路駅まで目と鼻の先。

いよいよ釧路入り。 釧路大橋。
いよいよ釧路入り。そして釧路大橋。

 今日はもとから宿に泊まると決めていたので、最初に目に付いたホテルに入ってみる。7,000円以下ならオッケーにしよう。と思ったが、7,200円の部屋しか無いという。まぁいいか、とにかく疲れたし、風呂に入りたいし…。とここに決めた。

 「釧路東急イン」

 安い部屋なので、狭い。どのくらい狭いかというと、入ってびっくりしたくらい。まぁ、この手の値段のホテルはこんなモノなのだろう。千葉の時に泊まったホテルは11,000円だったから結構広かった…というか、とても広かった。(^^; まぁしかし、ここ3日間のテント暮らしに比べれば十分マシだ。(いや、風呂かシャワーさえあるなら、テント暮らしも悪くないけどね)

 部屋にはいる。とりあえず洗濯(笑)と風呂だ。鏡を見ると顔が真っ黒。うわー、今日一日国道沿いを走ってきたからかなぁと思って顔を洗うと全然落ちない。げ、げ、これ、日焼け? しばらく鏡というモノを見ていなかったから、ここまで焼けていることに気付かなかった。いや、確かに腕とか足とか凄かったからわかりそうなモノなのだけど…。気付いて初めて最近顔がひりひりする原因が分かった。(笑)

釧路駅です。ここまで来た時点で1/5周といったところかな?
釧路駅です。ここまで来た時点で1/5周といったところかな?

 これを書いているのはホテルの中。まだ午後4時半。夜のことは何かあればまたこの続きに書…とか思っていたけど、何も無かったので今日はこれまで。

走行距離 62.5km
積算距離 413.3km


1999年06月20日(Sun) 曇り、時々晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 6日目 感動の厚岸の牡蠣。

 午前4時半ころに目覚める。枕が高くて…。(笑)

 今日はテントを畳まなくていいし、のーんびりと荷造り。

 地図を眺め、今日の予定を考える。昨晩はここから厚岸まで電車で行こうと思っていたのだけど、厚岸までは距離も無いので、ここは自転車で行き、厚岸から根室まで電車を使うことにした。厚岸にはキャンプ場があるので、今日の宿はそこにする。明日は月曜日だし、今日キャンプ場がいっぱいだなんてコトはないだろう。

 そう、実は今日から秘密兵器が加わったのだ。(^^) その名も、「'99 全北海道キャンプ場ガイド」じゃじゃ〜ん! これでもう宿に困ることはなくなるだろう。だって、今まで苦労してきたところも、結構キャンプ場が点在してたんですから。(笑) だったら早く買っておけって? なかなか本屋が見つからなかったんですぅ。(;_;)

 午前7時半、チェックアウト。自転車に荷物を積んで、8時過ぎにスタート。曇っているからとにかく寒い。でも指先がかじかむほどじゃないので、なんとか行けるだろう。44号線を厚岸、根室方面へのんびりと進む。ここからはまた単調な道ばかりが続く。途中、山の中に入るため、心臓がやぶれんばかりの坂に何度も出くわす。最初はがんばって上っていたものの、膝が心配なため、押しに入る。

 厚岸に入る。 途中、展望台があり、そこにさしかかったらなんと「さぁ撮ってください」と言わんばかりに雲が切れた。(笑) はいはいはい、撮ればいいんでしょ、撮れば。と思いつつカメラを取り出す。カシャ。

厚岸展望台。
厚岸展望台。

 厚岸駅。明日はたぶんここから根室まで一直線。キャンプ場に早々にテントを張ったら、身軽な状態で根室半島一周かな。ということで時刻表を確認。午前6時49分、9時5分、11時45分とある。遅くても9時のには乗りたいな。

 駅前の食事処で牡蠣ラーメンと生牡蠣を食べる。うまい。つるっとしていてすっきり。う〜ん。厚岸の牡蠣は年中旬らしいが、まったくうらやましい。TVでやっていたけど、牡蠣は冷え性にも効くそうで、毎日牡蠣を食べている厚岸の人は寒さに強いのだそうだ。

厚岸駅。
厚岸駅。

 そして厚岸大橋を越えて、筑紫恋のキャンプ場到着。

 一泊210円、シャワー310円、洗濯機310円。なんだかんだとかかる。ここはテントを張る区画が決められていて、地面がなんと砂利。私のペグは土用なので、さしてもするっと抜けてしまう。なにせ、ハンマーを使わなくても手で押し込めば地面までささってしまうくらい。なんだか。さしたあとに靴で踏んで徹底的に押し込む。そんなに風もないし、これで大丈夫だろう。

筑紫恋のキャンプ場。
筑紫恋のキャンプ場。

 夕刻。気温は低いけど、風がほとんどないので、それほど寒くはない。管理のおばさんによると、これでもかなり暖かいらしい。あなどれない、厚岸。

 先ほどたらふく食べたけど、酒のつまみに…と、朝方買ってあったシャウエッセンを茹でる。夕食はこれだけでいいや。

 暇なので地図を見る。筑紫恋からは、国道44号に戻るより、道道123号線を行くと景色がいいらしい。しかも浜中湾には、あの、ムツゴローの動物王国があるらしい。ああ、見てみたい。と、言うわけで、急遽予定を変更。123号を使って浜中まで行き、根室本線浜中駅から根室へ向かうことにする。ようし、明日も頑張って走ることにしよう。

走行距離 56.6km
実走行時間 3h57m
平均速度 14.2km/h
最高速度 51.4km/h
積算距離 469.9km


1999年06月21日(Mon) 曇り のち 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 7日目 これが霧多布!

 午前5時起床。先日の残り物だったサラスパに、塩とマヨネーズをあえて食べる。なんでマヨネーズがあるんだと思われるかもしれないけど、実はこれ、東京であらかじめ買っておいたものなのだ。いや、もしかしたら非常食代わりになるかなぁと思って。(^^; *1

 テントを片づけて午前7時過ぎ(やっぱり2時間かかるんだよなぁ)スタート。道道123号線を霧多布岬方面へ向かって走り出す。さぁ、今日で丸一週間だ。もう一週間か…という感じだ。これほどの長い旅行は初めてだし、たぶん先、もう無いだろう。今、人生最初で最後の旅をしているのだと思うと身震いしてしまう。とにかく、体(特に下半身)と交通のトラブルさえなければ十分にやっていけることがわかった。気負わず、のんびりが大切だ。

 ここは完全な山道のため、上ったり下ったりしつつ、少しずつ標高を上げてゆく。実はのっけから9km近い上りがあって、もうそこでヘロヘロだったのだけど、標高が上がるにつれて次第に静かになっていくのを楽しんだりもしていた。本当に静かだ。この道がなければ、もうここは深い山の中なのだろう。なんかが出てきてもおかしくない。

 ……なんか? そういえば、熊でも出てきそうな雰囲気だ。い、嫌だなぁ。熊よけの鈴でも買っておけばよかったかな。と、思ったところへ実にタイミングよく「熊出没注意」の看板が。

「注意したって出てきたらお終いじゃないかっ!(^^;」

 ここから先しばらくは、本当に緊張しながら走った。でも、その緊張をほぐすかのように、目の前の道を数頭の鹿が通り過ぎた。おお、すごい、さすがは人気のない山の道だけあるなぁ。と思ったのもつかの間、そのまま100mも行かないうちに工事現場に遭遇。おい、どこが人気がないんじゃい。まったく。

 琵琶瀬の展望台。おお〜、結構きれいだぁ。ここでしばし休憩。潮騒と風の音だけにつつまれる。ひゃ〜、いい感じ。…と、浸っていると観光バスが入ってきた。中からおじさんおばさんの団体。いきなりやかましくなる。ああもう。というワケで再スタート。

琵琶瀬展望台。
琵琶瀬展望台。

 道道123号を外れ、霧多布方面へ。岬だからまたきっと上るんだろうなと思いつつ通りを進むと、後3kmで岬に出るとある。さぁ、いよいよ上りだ。

 いきなりすごい。ギア34Tで全然上れない。しょうがないから1km近くの距離を押す。でも上りはこれでお終い。残り2kmは緩やかで、後半はほとんど平坦だった。よーし、展望台到着〜!

 たぶん、この道中で見た景色の中ではトップクラスだろう。もう、言葉にならない。何をここに書いても足りない気がする。そんな絶景だった。吸い込まれそうなくらいに切り立った崖、どこまでも蒼い海。ああもうたまらん。

霧多布岬。 霧多布岬。
霧多布岬。

 しばらく楽しんだあと、霧多布を後にする。ここから根室本線の浜中駅まではそんなにかからないはずだ。というワケで、ムツゴロウさんの動物王国の前を通ることにする。さすがに中には入れないだろうから、前だけでもいいや。

ムツゴロウ王国入り口。
ムツゴロウ王国入り口。

 王国まで2kmにさしかかったところでまた激しい上り。いや、まぁ空荷ならそんなにきつくはないだろうという感じ。でももう連日こうなのでさすがに堪える。頑張ってのぼった先は、寂しい看板があるだけだった。(笑) その看板から先は砂利道。道も恐ろしく下っていて、こんな自転車で下れるはずないし、また、上ってもこれない。ということで入り口だけで終わり。まぁこれでもいいや。

 浜中駅到着。実は到着数分前に電車(正確にはディーゼルを動力とした「気動車」というのだそうです)が出てしまっていたのだ。次のは……え? さ、3時間後? しかも、目的の西和田には止まらないという。さすがはローカルだ。まぁしかし、これでどうこうしていてはいけない。のんびりした旅なんだからいいでしょう。とりあえずその手前の昆布盛という駅では止まると言うので、そこまでの切符を買い。荷物と自転車をパッキング。

 案の定、駅員さん(実は話しによると駅員ではなく、委託で居るらしい)ものんびりしたもので、切符を手渡されるのに数分。しかも行き先は手書き。あああローカルだ。いいね、こういうの結構好きだなぁ。

 さて、東京育ちの私としてはもう発狂しそうなくらいの待ち時間を経て、ようやく気動車到着。昆布盛までは約45分。微妙な時間だ。寝るには短いし。起きているには辛い。でも頑張って起き続けていた。なにせ、自転車が他の人の邪魔で、結構気を使っていたからなのだ。

 で、昆布盛から今日のキャンプ場「根室キャンプ場」までをまたもやひぃひぃ走ってなんとか到着。今日の疲労感は半端じゃない。ほとんど山道だったもんなぁ。

 しかし、ここのキャンプ場からの眺めはめちゃめちゃいいぞ! なにせ、目の前は180度の海が広がり、そのど真ん中に夕日が沈んでいくのだ。こりゃもうたまらん。ここは穴場ですよ、みなさん。テント持ち込めばタダだし!(^^;

 今日ここで、同じ自転車ツアラーの人と出会う。私より若そう。歳を聞いたらなんと24歳。私が今年32歳だと言ったらたいそう驚いていた。相変わらず若く見られる自分。彼は道内からで、4〜5日の日程で知床、納沙布などをまわっているらしい。一緒に夕食を食いつつ、しばしの会話を楽しんだ。彼も明日は納沙布へ行くということらしいが、まぁ一緒には走れまい。若さには勝てん。(苦笑) もう一人、徒歩で来ている人が居て、この人は大阪から。徒歩で来てはいるものの、あんまり歩くのは好きじゃないとかで、電車、バスをフル活用して移動しているとか。この人も昔は自転車に乗っていたとかで、古いランドナー用語が飛び交っていた。

 ここは日が暮れてくるとブヨが出てくるため、早々にテントに退避。でもテントの中にちょっと飛んでるなぁ。しばし格闘。小さいので捕まえるのが大変だけど、狭いテントなのでほぼ退治。とりあえずこっちには虫除けスプレーがあるので、それを顔に塗る。ひー、日焼けにしみるー。

 珍しく9時まで起きていた。明日は根室半島一周だ。

走行距離 72.3km(プラス、浜中〜昆布盛間47km電車使用)
実走行時間 4h37m
平均速度 15.6km/h
最高速度 56.5km/h
積算距離 542.2km

*1 これは当時、この旅の出発前に見ていたニュースで、山で遭難したけれど、直前にお土産にと買っていたマヨネーズ(記憶ではわさびマヨだった)を少しずつ食すことで生きながらえた…というのを見ていたため、「何かあったらマヨネーズ」と思っちゃったらしい。(笑)


1999年06月22日(Tue) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 8日目 根室半島一周ツアー。

 やっぱり午前5時に目が覚める。他の人たちはまだ寝ている。(と思ったが、徒歩の人はもうすでに出た後だった)テントから出るとやはり夜露が…って、夜露? やべぇ、洗濯モノっ!(^^; うわー、びたびただ。昨晩のうちに干す場所を移動させておこうと思ってすっかり忘れて寝てしまった。すぐに移動。

 コーヒーを入れる。今朝もばっちりはれだ。また日焼けが怖いな。海も、ちょっとかすんでいるけど、いい感じ。 体調は…ちょっと左膝裏側の筋が痛む。昨日、やはりちょっと無理していたみたいだ。あれで音を上げていたら、数日後に行くであろう知床半島は越えられないんだけどな…。とりあえず今日は荷物はキャンプ場に置いたままで身軽だし、走るのは海岸線だけだし、それほど膝に負担はかかるまい。今日でさらに怪しくなったら治るまでここに居ればいいし。(タダだから) 管理人さんも「好きにしていけー」なんて言ってくれる。今はまだシーズンオフだしね。7月中旬くらいまではどこへ行ってもわがまま通るかな?

 のんびり準備。出発は午前8時過ぎ。出たはいいのだけど、道としてはあまり面白くない。なので割愛。途中、モゼールに乗った人に挨拶される。今日は天気がいいからきっといいよと言われ、気持ちが早る。休憩なしで納沙布岬へ到着。休憩できるお店がいくつもあって、みんな競争が激しいのか、呼び込みキャバレー並みの客引きだ。とりあえず目についた店で、つぶ焼きを食べる。ううう美味い! おばさん、もう一個! 店内に入ると自動的にカニの味噌汁がおまけでついてくる。ふむ。これはまぁまぁ。

納沙布岬。 納沙布岬。
納沙布岬。

 あちこちの店でカニの物色をしていると、先ほどのキャンプ場の彼と再会。写真など数枚撮影。その後、彼が食事をしている間にカニを注文。タラバガニはちょうど切らしているとかで、イバラガニを1パイずつ、実家と姉に送った。まぁまぁ大きいけど、タラバに比べると一回り以上小さい。でも味はまぁまぁかな。

 納沙布から根室までは先ほどの彼と一緒に走る。むむ、意外とペースが早い。若さだなぁ。頑張って着いていく。そして30km程で根室駅到着。彼は旅館に泊まるということで、ここで別れる。ぜひページの方にも来てくださいね。

 風呂。キャンプ場にこういう施設が無い場合に結構深刻。根室駅には銭湯があるのだけど、すでに自分はキャンプ場へ戻ってきてしまった。この間約9km。しかも間に6つもの上り下りがある。ああもう走りたくない。ということで、キャンプ場の炊事場でお湯を沸かして髪を洗う。誰もいないからいいよね。(^^; 体も拭いて、膝から下は炊事場に片方ずつ足を置いて洗う。今日はこれでよしとしよう。ついでに洗濯。念のために、納沙布へ行く途中の薬局で買っておいた湿布を左膝の裏に貼っておく。むー、生活だ。(笑)

 ふと気づくと徒歩の彼が戻ってきていた。これからは根室の夜行バスで札幌へ向かうらしい。その時間までしばしの談笑を楽しむ。

 午後5時半。とりあえず何か食べて早々にテントに潜り込むことにする。明日は別海町で温泉だ。楽しみ。

走行距離 80km
実走行時間 不明
平均速度 18.2km/h
最高速度 不明
積算距離 622.2km


1999年06月23日(Wed) 曇り edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 9日目 ああ、あこがれの温泉

 北海道に来てからというもの、いくつかのことに悩まされているのだけど、その一つが「カラス」なのだ。こいつと来たら、人の食い物はかっさらっていくは、荷物をいじるは、早朝に「かぁかぁ」鳴きまくるは、しかもこいつら、どこに行っても居る。数的なことはわからないけど、見かける頻度と言ったら人を見かけるよりも多いかもしれないってくらいだ。

 ということで今朝もカラスに起こされた。思いっ切り曇っている。そんなに寒くはない。それなりに寒いけど。昨晩(早朝?)の間におじさんライダーが増えていた。来たばかりなのか、さっそく食料をテーブルに置いたまま姿が見えない。案の定、数分でカラスがやってきて、一瞬でパンを一つさらっていった。

 おかげさまでこんな朝早くから人の食料の見張りをすることになる。手元に石を置いて、すぐに投げつけられるようにする自分。エアガンでもあればな。(笑)

 さて、7時半に出発。今日は50kmほどしかないから、昼前には着くはず。いい休養になるといいな。

 途中、国道沿いのパーキングで休んでいると、

「どちらから?」

 と声をかけられた。いろいろ話しているウチに、その人は

「もしかして、昨日根室のキャンプ場にいませんでしたか?」

 と言ってきた。

「え? いましたけど? どうして?」

 と聞き返すと、

「いやぁ、昨日そのキャンプ場で草刈りしていたのが僕なんですよ」

 と返ってきた。うひゃー、なんたる偶然。私が普段、キャノンデールサエコチームの真っ赤なジャージを着ているから、それで記憶にあったらしい。これから別海町へ行くと言ったら、

「じゃ、ぜひ『こめちち』という、牛乳みたいのがあるんですが、それを飲んでみてください。おいしいですよ」

 と言ってくれた。ふむ。楽しみ。うまくありつけるといいな。

 近くで買い物。ひさしぶりに米が食いたい。ということで、コンビニで米を1kg購入。最小単位で1kgなのはしょうがないか。頑張って食おう。 キャンプ場到着。管理人の人としばし談笑。話しによると、海側のキャンプ場に熊が出たらしい。ううう、そこは摩周湖の後に行こうと思っていた所だからかなりビビる。「まぁ、数日後なら大丈夫だろう。なに、熊っていってもおとなしいから」とは言うものの、やはり出会いたくないモノである。

 テントサイトについてどこにテントを張ろうかと考えていると、おばちゃん達に声をかけられた。「今そこでバーベキューをしてるから来なさいよ」と言ってくれる。まったく、こちらの人は本当に警戒心がないなぁ。(^^; テントを張ってから、ありがたく頂戴する。もうそれこそ飲めや食えやの大歓迎だ。もうのど元まで詰め込んで、いろいろと話をした。なにやら水産加工業の職場の人たちだそうで、今日は年に一回のイベントなのだそうだ。若い人も居て、私が自転車で旅をしているのをみてひたすらうらやましいと口にしていた。彼も彼なりにいろいろと大変なのだろう。

 実はこの人たち、途中の国道で私を追い抜いていったのを覚えていたらしい。やはりこの赤いジャージが目について覚えていたのだとか。むむ、このジャージは結構目立つようだ。目立つということは、交通安全にも一役買っているはず。今後はもう脱げないなぁ。

 山ほどの食べ物と飲み物をいただいて、彼らは帰っていった。しかし弱った。いくらなんでも貰い過ぎ。おにぎりまであるぞ。なんだ、米買わなくても良かったじゃないか。(^^; 手元にある生ものだけを無理矢理腹の中に詰め込んで、保存がきくものは今後に取っておくことにした。飲み物は、他にテントを張っている人たちにおすそ分け。ただしビールだけは手元に残ってしまった。はう。頑張って飲む人。この頃食が細かったせいか、食べるのがキツイ〜。

 温泉にもつかって、久しぶりに落ち着いた感じ。堕落しそうだ〜。

 堕落……。ふと、根室に徒歩で来ていた人がこんなことを言っていたのを思い出した。

「今のその生活が、一般的に見たら堕落したものに見えるかもしれないけど、日が昇れば起きて、日が沈んだら眠る。これこそが生き物としての当たり前の生活なのかもしれませんね」

 どちらも、いいとか悪いとかではないと思う。ただ、生きていく上でどちらの選択も可能であるわけで。でも普段、時間に流される生活を送ってきた自分にとって、今こういった自由な生活を体験できるということは、とてもありがたいことなのかもしれないと深く思うのでありました。

 さぁ、明日は摩周湖、屈斜路湖の、およそ90kmプラス激坂が待っている。気合いを入れて走るか! …と、その前に天気の確認をしたら、なんと明日は雨らしい。詳しく調べるために、携帯とVAIOで天気予報をチェック。確かに雨だ。しかし、午前中は降水確率が低めだ。明日早く起きてみて、降っていなければすぐにここを発とう。さぁもう寝る寝る!

別海町キャンプ場。
別海町キャンプ場。

走行距離 49.5km
実走行時間 3h03m
平均速度 16.1km/h
最高速度 48.8km
積算距離 671.7km


1999年06月24日(Thu) 曇り のち 雨 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 10日目 気が遠くなる直線

 午前4時に飛び起きる。曇っているけど降ってはいない。考えている暇はない。降っていないなら行くしかない。大急ぎで荷物を片づけ、朝食も適当に、6時前に出発。

 走り出すと霧が出てきた。所々深くなるけど、視界は良好。でも途中から雨になってきた。雨具を着てスタート。ここからはもう気の遠くなるほどの直線が続く。気が滅入りそうになるのをこらえつつ、無心でペダルを踏む。途中から雨は無く、霧だけが残った。 ここからしばらくは書いてもつまらないので割愛。

 午前11時過ぎ。考えていたよりも早く屈斜路湖へ着いた。砂湯というキャンプ場が今日の宿。すぐにテントを設営。その直後、「じゃ、行きますよ」という感じでバラバラと雨が降ってきた。ひー、ぎりぎりで間に合った感じだ。今日の設営は雨対策もバッチリなので、まぁ、好きなだけ降ってくださいよ。ええ。

屈斜路湖、中島 屈斜路湖、対岸
屈斜路湖、中島、対岸。

 ビールがまだバッグの中に余っている。水道で冷やしたいけど、雨対策のためにちょっと水場からは遠い。ふー、どうしようかな…と触ってみると結構冷たいじゃないか。バッグの前よりに入れていたから、外気で冷やされたようだ。そのまま一本空ける。上等上等、十分冷えてる。時計を見るとまだ12時半だ。いかん、これこそ堕落〜。でも雨だもん、どこにも行けないし、これはこれでしょうがない。雨が上がるまではここに居ることにしよう。一泊400円だし。でもここ、携帯すら通じないや。うー、なんだか孤立した感じ。

 風呂に入りにいく。クアハウスが近くにあるらしい。が、見えない。人に聞くと、この先3kmほど行くとあるという。なんだぁ、3km? 参ったなぁ。雨だから自転車では行きたくないし…。しょうがない、歩いていくことにする。

 クアハウスはまぁまぁかな。コース通りにやってみたんだけど、途中でギブアップ。その後のマッサージ機が心地好かった。

 午後5時半。初めて米を炊く。ノウハウがまったく無い。むかーしに飯盒炊さんをやったことはあるけど、すでに記憶になし。webで調べようにもここは携帯が通じない。ま、適当にやればできるものよ。えーと、多分このステンレスのカップが1合だろう。米の袋に、米と水は1:1.2と書いてあるから水はこんなもんだろう。それ、一気に強火〜。 沸騰してきた。吹きこぼれない程度に弱火にして…と。水蒸気が出なくなったら頃合いかな? 時間を計ったら、弱火にしてからおよそ5分。いいや、これで逆さまにしてちょっと置いておこう。その間におかずだぁ。

 ご飯の様子を見る。一見まとも。食べる。ちっと芯が残ってるな。まぁでも初めてにしちゃ上出来じゃん。オッケーオッケー。 しかし、なんだか量が多いぞ。米、多かったかな。ビールの空き缶でカップの容量を調べてみる。げっ、このカップ300mlもあるぞ、2合近く炊いちゃったんじゃないかっ。(^^; でも残しても持たないだろう。死ぬ気で食うしかない。むー、途中から機械的に食う。ぐわー、腹が破裂するー! 明日からはカップ半分でいいな。これも学習だ。(苦笑)

 疲れた。運良く本格的に降り始める前にテントが設営できたのはラッキーだった。早起きは三文の得って奴っすかね。明日も雨らしいので、ここに滞在することに決定。でも暇だなぁ。どうしよう。(^^;

走行距離 81.7km
実走行時間 4h35m
平均速度 17.8km/h
最高速度 51.1km/h
積算距離 753.4km


1999年06月25日(Fri) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 11日目 霧の無い摩周湖

 昨晩、ちょっと横になったらもう寝てしまったようだ。時計を見たら午前3時。雨はやんでいるようだ。しばらくシュラフの中でまどろんで、午前4時に外に出たらすっかりと晴れ上がっている。やったー! はれたぞー! でも、低い位置に雲が横たわっているので、摩周湖は期待できまい。とにかくここを発つことにしよう。すっかりと濡れたテントを、ばらして乾かしにはいる。

 さて、またもや米だ。今日は昨晩の半分、時間は同じでやってみた。水はこころもち多め。おっ、結構上手く出来てるじゃないか。次は時間を1分多くしてみよう。(^^; たまには炒めモノなんかもしてみたいけど、サラダ油というヤツ、どこへ行ってもちょうどいい量で手に入らない。 レトルトのカレーでカレーライスにする。なんだか最近カレーばかりだ。好きだから良いけど。

 午前8時前。すぐさま摩周湖方面へ向かって走り出す。途中、硫黄山という山があって、凄く綺麗。写真撮りまくり。通り過ぎるライダーたちも気持ちよさそうだ。

硫黄山 硫黄山前の道路。
硫黄山と、その前の道路。

 摩周湖への入り口にさしかかった。時間は8時45分ほど。15km程度とあるから、最悪3時間か。気が遠くなるな。(^^; 気合いを入れて走り出すも、いきなりローギア。しかもダンシング(立ち漕ぎ)。まいったな、この状態が延々と続くのか…。とにかくダンシング、押し、を気力の続く限り続ける。本当に気が遠くなりそうだ。ツール・ド・フランスの選手たちは、これよりももっと凄い坂をもっと凄いペースで走り抜けていくのだから、もうただ者ではない。途中、何台も抜かれていく観光バスを横目で見つつ、「きっと今頃バスの中で『自転車で走ってるよ、よくやるよなぁ』なんて言われてるんだろうな」なんて、どうでも良いことを気にする。いかん、なんだか気力が…。

 走り出してからおよそ90分。やっと展望台へ到着。はぁぁ、やったぞー! この充実感がたまらない。自転車ならではだ! 早速展望台へ。うわー! 綺麗だなー! 深い青、なんていうんだろうか、とにかく深い青だ。疲れもあって、しばし呆然。知床はもっときついんだろうけど、いいトレーニングにもなったな。とか、今となってはそう思えるけど、本当、きつかった。

摩周湖、第三展望台より。 摩周湖、第三展望台より。
摩周湖、第三展望台より。

 下る。これがまた凄い。車すら着いて来れない。峠の下りでは自転車の方が有利。昔二輪車で鍛えた感覚を呼び起こしつつ、最大限の速度で下る。先を見て、路面の状況を把握する。後ろからは絶対に車は迫ってこないので、とにかくいいラインを選ぶ。速い。 峠が終わり、直線になるが、まだ下っている。時速40kmから落ちない。ひゃー、気持ちよいー。このころになってやっと車が追いついてきた。いや、それにしても凄い下りだった。もうしばらく体験できまい。

 下りきってしまえばまた単調な道が続く。ので割愛。

 標津到着。海だ。国後がクッキリ見える。国道244号線を野付半島方面へ走る。10数kmほど走って、今日の宿、「別海町尾岱沼青少年旅行村」に到着。ここが数日前に書いた熊が出たとされる所だ。入り口から手前から、熊注意の紙が貼ってある。 ちゃんと泊まれるのかな…。と、管理事務所へ。案の定、テントは危険だという。でも、テント料金でバンガローへ入って下さいとの指示。ありがたい。熊さんありがとう。(笑)

 6畳ほどの広さのバンガローへ入る。久しぶりの屋根のある生活。はぅ〜。とりあえず風呂だ! てことで2kmほど離れた温泉の銭湯へ行く。露天もあって、めちゃくちゃ気持ち良かった。

 電源が確保できるので、VAIOで日記をhtml化し、アップする。時間がかかる。携帯で東京へつないで30分もかかった。電話代が心配だけど、こういう時のために活用しなくちゃね。

 管理人さんが来た。「お食事は?」と聞いてきたので、「ははぁ、もう夜だから熊の危険のためにもう表に出ないように注意を促しにきたのだな」と思って済んでいない夕食を「あ、もう済みました」と言ってしまったのが間違い。

「あらそう、夕飯、あるんだけど…」
「なぁにぃぃぃ!?(^^;」

 とは思ったものの、直後に出ていってしまった。はぅ〜飯〜。(;_;) 変に気をまわすものではない。

 でもつまみとビールで結構満腹。インスタントラーメンだけにして就寝。

走行距離 114.7km
実走行時間 6h16m
平均速度 18.2km/h
最高速度 68km/h(←おぃおぃ)
積算距離 868.1km


1999年06月26日(Sat) 晴れ のち 曇り edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 12日目 いざ、開陽台へ!

 バンガローと言っても、結局シュラフで寝ることに変わりが無いワケで。いや、シュラフもいいものですけどね。(^^; んで、やっぱり午前5時に起きる。すでに習慣化されてしまっているみたい。 今日のルート。野付半島を往復すると30kmの距離になっちゃうから行こうかやめるか思案する。ここから次の宿になるであろう知床の羅臼まではおよそ60km以上。それに30kmを足すとまた100km近い。

 ふ〜む。どうしたモノか。野付半島は結構つまらないとは聞いたけど、興味はある。まぁ、せっかくだから行ってみよう。そうなると、そこから羅臼へは遠くなっちゃう。と、いうことで、またもや予定変更し、来た道を戻って中標津の開陽台へ行くことにする。根室で会った人もオススメだと言っていたし。距離も短くて済むし。

 というコトで野付半島。なんだか凄いぞ。左右が海だ。幅はどのくらいだろう。100mくらいかな? 目視だからかなりの誤差あり。(^^; とにかく暇な道だ。所々湿地帯があって、風変わりな景色を見ることが出来る。黒い鶴もいる。(泥で汚れているだけ) 1時間弱で端っこに着いた。なんだ、何にもないじゃないか。まぁこんなもんでしょう。いいけど。ひとまず写真など撮ってさくさく戻ることにしよう。

国後がクッキリ見えます。
国後がクッキリ見えます。

 同じ道を戻る。暇なので割愛。 標津からまた国道272号線を中標津方面へ走る。昨日走った道だ。コンビニがあったので軽くお昼。時間は12時半だ。

 中標津に入る。ここからちょっと細かい道を通って、開陽台まで4kmの看板を過ぎた。もうすぐか。またすごい上りがあるんだろうな。

 やはり。こりゃ凄いや。でも摩周湖を上った自分にはもう怖くなんか無い。そう、無理はせずに押すのみ!(笑)

上りの中腹付近 中央にちょこんと盛り上がって見える展望台まで向かいます。
上りの中腹付近。もうまっすぐすぎて気が遠くなります。右は、中央にちょこんと盛り上がって見えるのが展望台で、これからそこまで上るワケですよ。(^^;

 前日、開陽台まで11kmの所まで来ていたのだけど、そのまま通り抜けて尾岱沼へ来た。普通に考えれば開陽台でも良かったのだけど、断念した理由がいくつかあった。まず、入浴施設が遠いこと。キャンプ場は高いところにあるので、昨日、摩周湖を上った体ではもうこれ以上上りたくなかったためだ。 そしてその予想をはるかに越える上り。ひぃぃ、冗談じゃない。(^^;

 開陽台展望台入り口。何じゃこの坂は! 今までに体験したことのない坂だ。押してもめちゃくちゃキツい。でも、上るに連れて視界が開けてくる。あああ、頑張って上らねば! 体中から汗が吹き出してくる。標高は高いはずなので気温はそれなりに低い。でもこの汗だ。たまらんなぁ。10歩押しては止まって休む。距離は短いのだけどその勾配と言ったらない。そうしてやっと展望台到着。心臓が破裂しそうだ。 しかし、展望台しかない。あれれ、キャンプ場はここじゃないのか? ちと不安。とりあえず展望台へ行って見回してみようと上がってみると、裏にあった。(笑)

 いや、それにしてもここは凄いですよ。視界は360度にわずかに足りない330度。地平線がバッチリ拝めるし、天気が良ければ、夜は星もきれいなのだそうだ。残念ながら今日は曇っているけれど、それでも十分に広さを満喫。いや、凄いですね、いいですね、北海道ですね。しかもこのキャンプ場、管理人不在で無料。自転車の私には何日もの連泊は不可能(この高さだもん、買い出しに下ったらもう上って来たくない)だけど、いいですね、数日居たくなります。

開陽台展望台からの景色。
開陽台展望台からの景色。

 ここは珍しくテントがいくつも張られている。それだけいいところなんでしょう。とりあえず売店でビールを買ってくる。高いけどしょうがないか。ま、しかし今日の美味さは格別だ。夕食はご飯にレトルトの牛丼ですませた。午後7時ころ、知らぬ間に就寝。

走行距離 77.9km
実走行時間 4h54m
平均速度 15.8km/h
最高速度 39.4km/h
積算距離 946.0km


1999年06月27日(Sun) 雨 または 曇り そして 霧 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 13日目 身動き取れず。

 午前3時に1時間ほど降った雨はすでに止んでいる。しかし霧だけは全然晴れない。それにどうしたことか足のほうも結構だるい。はぁ〜、今日はここに連泊するしかないかな〜。食料はそれなりにあるし、足りなければ昼間のうちなら展望台のお店もあるし…。とりあえずそういうつもりで霧の動向をうかがうことにした。 まぁ、霧は霧でかまわないし、移動に雨ほどの不便はないのだけど、やはり走っていて面白くない。ただ単に移動のために走ることは、出来ることならしたくない。この旅も結構順調だし、時間はあるので、こういう「まったく走らない日」があってもいい。というか、無くちゃいけない。(^^; とりあえず、走るとしたなら今日の移動距離は70km程度だ。午前中霧が残っていても、昼過ぎに出発できれば十分に知床へたどりつく。タイムリミットは午前11時に設定。それを超えても晴れなければ連泊だ。

 米を炊くようになって4日目。まだ成功はしていない。今日はいきなり強火は止めて、最初から弱火。時間は計らない。勘に頼る。音が変わるポイント、コゲた匂いの限界なんかが決め手かも? それがきいたのか、今までで一番マトモ。おコゲの量も絶妙。うひょお。美味いぃぃぃ!(;_;)

 とにかく暇なので、モバイルギアで日記を書く。ザウルスには電子文庫もあるので後で読もう。わざわざMDまで持ってきたし。(^^; だから重くなるんだけどね。ま、カウビバでも聴くことにしよう。う〜ん、久しぶりの音楽。ああ、なんだか自分の部屋が懐かしい。Macにもずっと触っていないなぁ。PowerBook550cはバッテリーが死んでるし重い(というか重すぎる)ので今回はVAIOだけど、やっぱりなんだか違う気がする。要は好みなんだろうけどね。

 そういえば、今日は日曜日なんだな。この霧なのに展望台には人が多い。上ったって霧しか見えないのに。何せ視界数10m程度。よくやるなぁ。とはいえ、せっかく来たのだからなにか見ていこうとする気持ちはわかるので、静かに見守ってやろう。 でも逆に、展望台からこちらのテントを見て向こうも「こんな霧の中、よくやるよ」と思っているのだろう。(^^;

 午前11時を過ぎた。霧の晴れる気配はまったく無い。決まり、今日はここでもう一泊〜。昼飯の準備をしよう。米もあと3〜4食分で終わるな、買っておかなくちゃ。

 午後。暇だ。今寝ちゃうと夜眠れなくなりそうだ。我慢。明日は何があってもここを発たないとならない。食料が尽きちゃうから。昼間は食堂もあるし、お菓子くらいなら売ってるので、食うには事欠かないのだけど、こういう所は得てして割高。無駄にお金は使いたくない。 まぁそれはさておき、明日こそ知床なので、夜はしっかりと寝ておきたい。今は頑張って起きているしかないか。

 午後1時になってずいぶんと見晴らしがよくなってきた。これで下に降りればただの曇りになっていることだろう。177の天気予報によると明日も明後日もこんな天気らしい。よし、明日は午前10時をリミットにして発つようにしよう。今日はいい休養になった。明日からまた頑張って走ることにしよう。

霧の開陽台。
霧の開陽台。

本日休養日のため、走行データ無し。


1999年06月28日(Mon) 濃霧、時々、雨 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 14日目 霧からの脱出!

 またもや夜中、今度はかなりの量の雨が降った。午前5時に起きてみるものの、霧雨がまだ残っている。天気予報では、濃霧注意報、そして午前中は60%の降水確率。ダメだこりゃ。今日も昼まで待って、回復の見込みが無ければ今日も泊まりだ。明日はいいようなので、今日一日我慢すればいい。食料もギリギリ間に合う。足りないと思っていたのだけど、買い溜めしておいたサラスパがあったのを忘れていた。これで一安心。

 それにしても同じ所で二日も足止めを食らうとは思いもしなかったな。それも「いい場所だからもう少し居よう」なんてのじゃないのだからイヤな話だ。急がない旅だからいいとは言うものの、表に出られないとなると暇で暇で気が滅入る。 なんにしても下へ降りてもこの天気は変わってないようなので、道東に居る限りは結局こうなっていたのだろう。何せ、この時期の霧は名物なのだそうだ。ああ、それならそれで温泉に近いところが良かったなぁ。(;_;) この寒さじゃいつもの方法で髪も洗えない。 まぁ、まだ全然甘いのだろうけど、これが自然の厳しさってやつですかね。

 しかし、食料はいいとしても、いい加減風呂に入りたい。VAIOの最後のバッテリーを使って、インターネットタウンページで銭湯を検索。住所からMapFANで場所を確認する。げげ、結構遠いなぁ。15km位はあるぞ。まぁでも空荷の自転車なら往復して1時間半くらいか。 さぁて、どうしようか。風呂と買い出しのために下まで下りるのならいっそテントを畳んで次の知床へ行った方がいいような気もするし…。30km走るのならあと40km走るだけで知床だ。(自転車の重さの違いはもちろんあるけれど…)

 ……考える。徹底的に考える。今の時間は午前11時。昼まで様子を見たとして、午後1時に出ても、知床へは遅くったって午後6時到着。先ほど下から上がってきた人に話を聞くと、下の方はこれ程の霧は無いらしい。 今困っているのは、雨だの曇りだのという前のこの霧だ。下に下りさえすれば多少は活路が見いだせるかもしれない。……行ってみるか? いや、まだ何かきっかけが欲しい。

 なんてことを考えているのに、手は荷物を片付けに入ってる。む〜、やはり行こうか。 雨具を着てテントの撤収に入る。何せ1分表に出ていれば着ているものがしっとりと湿ってしまうのだから、バッグなどおお急ぎで取り付け、濡れたテントを折り畳む。およそ30分後、霧で何も見えない開陽台を離れた。

 走り出して15分。やっぱり止めればよかったかな…とちょっぴり後悔しつつ下る。眼鏡はもうあっという間に水滴で見えなくなる。何度も指ワイパーでぬぐう。 下り初めて約10km、ようやく前が見えるようになってきた。霧はあるが、ややマシといったところか。国道244号線を目指す。相変わらずの直線だ。でも霧でどこまで続いているのかわからないので、気が滅入ることはない。

 標津。海が見えるはずだけど、ほとんど見えない。霧は晴れないようだ。この海岸線は結構意地悪で、大きめのアップダウンが続く。とにかく、一刻も早く次の宿に着きたいから、無心でペダルを踏む。景色など見えないのでなんにも見ない。休憩も最小限。キツい。移動のためだけの走行はつまらないし、肉体的にも精神的にもキツい。

 羅臼まであと10kmの所で買い出しに入る。気持ちとしては、晴れるまで羅臼に居て、国後をもう一度見てから宇登呂へ行きたいと思っているので、量も多めに買い込む。お店のおばさんに、自転車か? と聞かれる。いつものパターンの会話が始まる。買い込んだ量を見て、

「それにしても、ずいぶん豪勢だねぇ」

 と言った。羅臼に数日居るつもりだと言うと、おばさんは納得していた。 買い込んだ食料をバッグに詰め込んでいると、後ろから声がした。

 振り返ると、年の頃、80〜90歳とおぼしきおばあちゃんがたたずんでいた。

「あれまぁ、大変だねぇ」

 これをきっかけにまたいろいろと話をした。歩くのは遅いが、しっかりしたおばあちゃんである。思えば霧多布にも、昆布取りのおばあちゃんが、私ですらもビビッてしまうような崖(!)を上って来たのを見つけて偉く驚いたが、いつまでも元気でいられるというのは凄いことである。

もうすぐ羅臼。やっぱり霧です。
もうすぐ羅臼。やっぱり霧です。

 さて、やっとのことで今日の宿「国設羅臼温泉キャンプ場」へ到着。人気らしく、テントがすし詰め状態。ここでなんと開陽台に居たライダーを発見。その人の隣に設営した。

国設羅臼温泉キャンプ場。
国設羅臼温泉キャンプ場。

 ここにはサイクリストが私以外に3人。しかも一人は女性だ。別の若いサイクリストが炊事場の近くで自転車のメンテナンスに悩んでいる様子。思わず声をかけてしまう。なにやら、ブレーキワイヤーをタイラップで固定しようとしているのだが、長さが足りなくて困っているという。ん? それなら2本連結して長さを稼げば? そう言うと彼は驚いたように「あっ、そういう方法があったんだ!」と言ってきた。おぃおぃ。(^^; 彼は日本一周を目指しているらしいのだが、ちょっと心配になってきた。まぁ、こういうことはトラブルを重ねているうちに覚えるものだから、大丈夫でしょう。うん。頑張ってね。

 さぁ! 風呂だ! 温泉だ! 即刻着替えて露天へ。到着すると、そこは本当に露天だ。男湯は仕切りすらない。わはは。しかも小さい。自然のままの温泉という感じだ。ここでもいろんな話をして…というか、しすぎて失神寸前。(えらく熱かったから) 上がるとき、わきにため湯があったのを見つけて、「ちょっと足にかけてから出るか」とかけたのが大間違い。それは温泉そのままの熱湯で、思いっ切り足に火傷を負ってしまった。(確認しろっての)

 痛い。痛みをこらえてテントに戻る。すぐに簡易バケツに水を張り、テントの中で足を冷やす。思わず声が出そうなくらいに痛い。しばらく冷やした後、メンタームを塗りたくり、靴下を履いた。メンタームのせいかヒリヒリヒリヒリ…。とにかくもうこの後なにも出来なくなってしまったので、飯も食わず、痛みをこらえつつ眠ることにした。

 すごい後悔の念に襲われる。この旅もこれで終わりなのだろうか。こんなくだらないことで? 明日の朝には痛みが引いてますように…。と祈りつつ今日が終わった。

走行距離 74.8km
実走行時間 4h13m
平均速度 17.7km/h
最高速度 48.2km/h
積算距離 1020.8km


1999年06月29日(Tue) 曇り edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 15日目 そして今日も身動き取れず

 寒さで目が覚める。時計を見ると午前3時。あっ、そういえば、足! 指を動かしてみると、それほどの痛みは無い。良かった……。思っていたほど酷くは無かったようだ。ホッとしたらまた眠くなってきた。

 午前5時。とりあえず起きる。再び患部にメンタームをすり込む。テントから出ると何人かが起きていた。「おは…」まで口にしたところで自分の声がガラガラなのに気づく。あら、風邪ひいたかな。とりあえずなんとか挨拶をすると、一人のおじさんに自転車のことで30分ほど捕まる。(^^; 私の自転車をたいそう気に入ったらしく、「よし、帰ったらこれ買おう!」とまで言っていた。

 足の痛みはかなり引いて、靴も履けるようになったものの、無理はいけない。霧も晴れてないし、なんだか風邪気味のようだし、今日もここで連泊だな。そういうことでのんびりと飯を炊く。日に日にマトモになっていくな。もう炊飯器で炊いたのと変わりない気がするぞ。(^^) おかずは軽くていいか…ということで、鯨大和煮の缶詰。おいしい。飯とこれだけでも十分おいしい。足りない栄養はカロリーメイトで補おう。うん。

 昨日の若いサイクリストは今日ここを発つそうだ。何とここに3泊していたらしい。それでもこの霧は晴れなかったようで、それを聞いて自分も国後は諦め、足が程々に治ったら宇登呂へ向けて出発することに決めた。

 昼寝したりザウルスで麻雀とかクロンダイクやったりゴロゴロ。ここ数日で、こうしてじっとしていることが苦じゃなくなってきた気がするぞ。(^^; まぁ今日は静養しなくちゃいけないんだからね。

 ……あ、この足じゃ今日は温泉は無理だな。(;_;)

 このキャンプ場、たまたまタイミングが悪かったのか、変な客がほとんどで、夜は11時過ぎまで騒いでいるわ、しかも朝も5時から表でぺちゃくちゃ…。ほとんど眠れなかった。しかもこの人ら、みんなソロのおじさん連中。

「常識を知れっ!」(^^; (いや、でもみんないい人達ばっかりだったのは確か)

本日未走行のため、走行データ無し。


1999年06月30日(Wed) 曇り 移動したら 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 16日目 太陽を目指して!

 午前5時起床。今日こそは太陽を拝むぞ! ということで7時15分出発。今日は濤沸湖のキャンプ場を目指す! およそ80km。

 羅臼のキャンプ場を出ると、すでに知床峠は始まっている。いきなり上る。徹底的に上る。およそ12kmこれが続く。ただ、摩周湖の時よりは傾斜がゆるいのか、なんとか自転車に乗ったままで上っていられる。もしかしたら坂に強くなった?(^^; まさかね。

知床横断道路、上り始め。
知床横断道路、上り始め。これで傾斜の度合いが通じるかな?

 1合目付近で、キャンプ場で一緒だった人がバイクで追いついてきた。ちょうど押しに入っていた時だったので「なんだ、もう押しているのかぁ?」なんて言われてしまう。ふぅ、しょうがない、また乗るか。

 こんな感じで2合目3合目と上っていく。とはいえ所々楽になるところもあって、結構上りそのものを楽しめていた。きつ過ぎず、ゆる過ぎず。この峠は自分に合っているのかもしれない。今度は自分のロードで再挑戦してみたいな…。なんてことを考える。 とはいえ、楽なわけじゃない。キツイところは徹底的にキツイ。苦しくなってくると人間、変なことが頭に思い浮かぶようで、「ああ、そういえばロバートデニ郎はどうしてるのかな…」なんてふと思ったりして、で、そんなことを考えている自分におかしくなったりする。ちなみにロバートデニ郎とは、ウッちゃんナンちゃんのTV番組でウッちゃんが演じていたキャラクター。ロバートデニーロがモデルなのかもしれないけど、全然似てなかったな。(^^;

 ふと、目の前に何かが動いた。一瞬驚く。なんと鹿だ。目が合う。静かに逸らしつつ、そっとデジカメを取り出して撮影。動物園よりも迫力あり。

目の前に鹿が…。
目の前に鹿が…。

 ひぃひぃ言いつつ、時々楽しみつつ、長く続く坂を、キッと上をにらみつけてひたすらペダルを踏み続ける。なんでこんなことをしてるんだろう。またそんなことを考える。すでに1時間以上が過ぎた頃、ふと雲が切れた。久しぶりに見る日差しだ! 太陽だ! ひゃ〜、これだよ、これを見るために上ってきたんじゃないか! 先ほどから吹き出し続けている汗が、またどっと増える。あごの先から汗がぼたぼた滴り落ちる。暑い。そのくせ、吐く息は白く凍る。気温だけは低い。でも暑い。かぶっていた帽子はすでにぐっしょり汗で濡れている。

 目の先に見える山腹に車が走っているのを見つけては気が遠くなる。「あ、あそこまで上るのか…」もちろん、それが終わりじゃない。サイクルメーターの距離を確認する。まだまだ先は長い。水を飲み、補給食を口にし、頭の中はすでに今日の宿で横になってのんびりしている自分を思い浮かべている。

7合目。雪もしっかり残ってます。
7合目。雪もしっかり残ってます。

 突然、目の前に大きな山がそびえ立った。うひゃ〜、羅臼岳だぁ。 この道には信号機が一つだけある。交差点ではなく、工事用のなのだが、それを越えてしばらく進むとやっと峠の頂上にたどりついた。時間を見ると9時17分。まるまる2時間かかった。

 やった…。やったぁ!

知床峠頂上。
知床峠頂上。

 疲労と興奮で全身がガクガクしてくる。しばらく羅臼岳の絶景を堪能し、さぁ、次は下りだ!

 下りはもう言うまでもなく速い。徹底的に速い。しかも宇登呂側の坂は直線が多い。速度もガンガン上がる。あっという間に下りきってしまった。上りの苦労などどこ吹く風だ。

 ここから海岸線。太陽も照りつけ、最高の気分。オシンコシンの滝がある。なんだかどこかの漫才コンビみたいな名前だ。まぁいいか。 とにかく久しぶりの太陽、そして海。気持ちがいい! 滝よりこっちのほうがいいや。

久しぶりの青空。 オシンコシンの滝。
久しぶりの青空と、オシンコシンの滝。

 ところが斜里に入るあたりから風が強くなってきた。速度が全然上がらない。時間は12時になろうとしている。右手にキャンプ場が見えてきた。でもまだ時間も早いのでここは通過。目的は濤沸湖だし。

 地図を見て貰うとわかると思うのだけど、斜里町を横切る334号線は一直線。向かい風に行く手を阻まれて、なんだか坂よりキツイ気がする。途中のコンビニで買い出しをして、午後2時過ぎに浜小清水へ到着。ふー、やっと着いたか。 ……キャンプ場へ行くが、ひっそりとしている。ま、まさか。急いでガイドブックを取り出す。開始は7月5日から…。がーん! そんなことまでチェックしてないー!(^^; でもまぁいいや、厚内のキャンプ場だってそうだったんだから、水さえ使えれば…。がーん! 水道が使えなくされているー!(^^; ダメじゃん!

 万事休す? どうしようもない。先へ行くしかないのだ。行こう! 網走へ!

 ここから先の記憶は、ほとんどない。気がつけば網走に着いていた。

気が付けば網走駅。
気が付けば網走駅。

 今日たどりついたキャンプ場は「呼人(よびと)浦キャンプ場」。目の前が網走湖で、景観は最高。あ〜、こっちの方がいいじゃん。結果良ければすべて良し。ここもタダだし。(^^)

呼人浦キャンプ場。いい眺めでしょ?
呼人浦キャンプ場。いい眺めでしょ?

 テントを設営し、すぐに1km先の「網走湖畔温泉」へ駆け込む。ここは旅館なのだけど、入浴だけも可能なのだ。でも、旅館のお風呂だからそんなに大きいわけじゃない。しかも500円。はぅ。でも一応温泉です。

 風呂から上がる。脱衣場で徹底的に脱力状態。今日はもう、徹底的に疲れた。あの峠があったところへ持ってきて、さらに110kmも走ったのだから…。明日は移動せずに網走観光にしよう。そうだ、そうに決まった。 帰る前に久しぶりに体重を計ってみる。げ、4kgも減ってる。(^^; たかだか2週間そこいらでこんなに減るか? その割りにはかなり食ってるんだけど…。まぁでもひ弱に痩せているわけじゃないから問題ないだろう。うん。

 ロビー。旅館の旦那と話が弾んでしまった。私がいろいろと苦労をしている(とは私自身はまったく思っていないが)と思ってか、いろいろと優しくしてくれて、「明日は天気が悪いから、どうしようもなくなったらここへ来なさい。素泊まり2,000円で泊めてあげるから」と言ってくれた。今時、素泊まり2,000円の旅館なんて…。ありがたい話だ。明日もまたお風呂に入りに来ますと言って、テントへ戻った。

 洗濯と、飯を炊いていると、なんだか見知った人がいる。なんと、開陽台で一緒だった夫婦ライダーや、他のライダー達がいるじゃないか。しかも、昨日まで羅臼で一緒だった車の人もいる。偶然の再会に驚きつつ喜びつつ、挨拶を交わした。

 天気予報。ががーん、明日は雨ー!?(;_;) ま、まぁいいか。明日もまた休養日だい! えいちくしょう。(;_;) と、いうことで午後9時就寝。死んだように眠っていたと思いねぇ。

走行距離 113.8km
実走行時間 7h8m
平均速度 15.9km/h
最高速度 74.5km/h(おぃおぃおぃ(^^;)
積算距離 1134.6km


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STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測

Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm

BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm

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