BROMPTON(ブロンプトン)乗りの人がよく訪れている、山永先生のwebページにて、「常連のメンツで一度どこかで集合したいね」という会話が出てから、早、幾年月。結局、山永先生が幹事となり、BROMPTON owner's meeting(仮名)が開催されることになりました。私はBROMPTONを持っていませんが、このミーティングに参加されるnassanさんに、私のKLEIN MANTRA COMPを手渡すという、大義名文の下、部外者にもかかわらず、押しかけ参加を決め込みました。
浜松までは高速バスを選ぶことにした。何せこれが一番安い。
とりあえず、適当な時間に出ればいいやってことで、午前l0時に家を出てみる。バスの時刻は未確認。だってwebの時刻表って見にくいんだもん。ワケわかんない。
久しぶりのMANTRA、最近はサス無しばかりだったから、やっぱりフワフワの乗り心地に感じる。サルーンカーみたいだ。
もう少しで東京駅という所で、何かおかしな雰囲気に気付いた。行く先の道が通行止めがされている上に、上空はヘリがウヨウヨ…。何か事故でもあったか? そう思いつつ進んで行くと、何と巨人軍の優勝パレードで完全に中央通りがふさがれている。何てこった、これじゃ東京駅には行けないじゃないか。とにかく大きな交差点がある所を探す。そこで警察官に通してもらい、やっと中央通りを突破。でも、高速バス乗り場がわからずに、右往左往。いきなり難関が次々と…。
着いた。ここがバス輪行を認めないので有名なJRの高速バスだ。しかし、場合によっては乗せてくれることもあるという。ということで、ダメモトでチケットを買って、乗り場へ行ってみる。
さっそく係の人に捕まり、「これは自転車ですか?」と聞かれる。「そうです」と応えると、一通り説明がなされた。でもその後、『基本的にダメ』なのだけど、運転手と相談してみてくれるという。それでダメなら払い戻しとなる。おお、いい対応じゃないか。これでダメならこちらも諦めがつくというもの。
「ところで、どちらへ?」
「浜松駅へ行きたいんです」
係員、一瞬絶句。
「は…浜松行きは16時40分ですよ?」
時刻は11時を過ぎたところ。驚くのも無理はない。でもこれも、なんだかんだで最後のいい思い出になるに違いない。じっと待とうじゃありませんか。
それから5時間、待った待った、疲れた疲れた。
ようやく乗り場にバスが入ってきた。
係の人が運転手に話をつけてくれ、自転車は乗せられることに。やりぃ、これで浜松まで行ける〜。
こうして定刻通りの16時40分、バスは東京駅を離れた。
バスの中は結構暇だ。酔うから雑誌も読めないし、ウォークマン類も持ってきてないから音楽も聴けない。ので、寝るしかない。耳栓を耳に詰め、ぼーっと前の景色(座席は一番前でした)を見ている。
すると、なんだか不思議な感覚になってきた。目から入る情報はいつもと同じなのに、ほとんど物音が聞こえないというこの状況が不思議に感じてきた。そしてなんだかとても落ち着く。
そういう状態でボーッとしたまま、バスは浜松駅へと滑り込んでいった。
時間は20時50分。まるまる4時間。結構長かった。
さて、泊まる予定のカプセルホテルを探さねば。ターミナルは北口、ホテルは南口。重たいKLEIN MANTRA COMPを担いで駅の反対側へ。パッと見で見あたらなかったので、電話を入れてみる。
「現在おかけの電話番号は、使用されておりません」
なぬ? 書き間違えたか?
これ以上探すことは不可能。手近のホテルに入り込み、ロビーで情報収集。観光案内のパンフをもらい、そこに載っているホテル一覧から、目的のカプセルホテルを探すも見あたらず。こりゃ、つぶれた臭いな。しょうがないので、安い部屋順に電話をかけまくる。どこも満室で、やっと見つかったホテルは、何と北口…。
泣く泣く、また自転車を担いで反対側へ。すでにもう全身汗まみれ。ぼたぼたぼたぼたと汗がしたたり落ちる。だーっ、なんだってこんなに重い!
しゅなみさんから電話。
飯食うなら前夜祭に来なさいという指示。チェックインの後に向かうことにする。
到着したホテルは、内風呂無し、トイレ共同、冷蔵庫も無し、あるのはTVと電話とエアコンとお湯の入ったポットのみ。至ってシンプル。寝るだけ。まぁいいでしょう。こっちも寝るだけなんだから。
荷物を置いて、前夜祭の飲み屋へ。お初のnassanさん、山永さんの奥様とご挨拶ののち、いろいろな話をして、食って飲んでヘロヘロで今日が終わったのでした。
翌朝。
習慣で、どうしても6時過ぎに目が覚めてしまう。ちょっとまどろみつつ、昨晩の酒を抜くために、7時過ぎにホテルの前で自転車を組み付け、8時を過ぎた頃、観光案内を片手に、浜松城へ向かってみる。
10分もしないうちに到着。上がれるところまで自転車で上がり、城跡見学。軽く見回って、次は佐鳴湖へ行ってみることにする。慣れない道をキョロキョロしながら進む。なんだか道が違うような気がしてきたな。とにかく進んで、標識を確認しよう。
しばらく進むと、標識が出た。道は合っているようだ。しかし、それにしても道はアップダウンが多く、しかもくねくねしていて走りにくい感じ。まぁ、運動目的なら楽しいのかもしれないが、今日は目的が違う。走り慣れていないであろう人もいるんだから、どうなるのかな…とちょっと不安。
佐鳴湖到着。道がよくわからなくて、一回りは出来なさそう。とりあえずなんだか鳥がいたので撮影しようとしたら、シャッターを切る瞬間に飛び立たれてしまった。やるな。
浜松駅へ戻る。まだ時間にはちょっと早い。しかも、朝食がまだ。ホテル隣のコンビニで弁当を買って、目の前のバス停のイスに座って食べる。バス待ちのおばさんに怪訝な顔で見られるが、気にしない。(笑) コンビニの前に停まっているKLEIN MANTRA COMPを見て、「今日でお別れか…」とか、ちょっとしんみり。
チェックアウトを済まし、待ち合わせ場所へ。でもまだ誰もいない。どこかに誰かいないかと、駅周辺をうろうろ。すると、山永夫妻とnassanさんが道の反対側を走っているのを発見。おお、こりゃいい、隠し撮りしちゃおう。そう思って走りながらデジカメを取り出すと、いきなり歩道の角で停止してしまった。三人は、地下道へはいる階段の陰に隠れて様子が分からない。こちらも、こっちにある階段の影に隠れて様子を見ていたら、いきなり山永先生から電話が…。
山永先生「もしもし〜、今どこですか?」
自分「え?え? えーと、駅の近くですぅ」
と、何とかごまかし、やり過ごした。なにやら、ちょっと遅れるとのこと。そのまま三人は来た道を引き返して消えてしまった。何かを取りに戻ったらしい。
しょうがないので一人てろてろとまた待ち合わせ場所へ。誰かいる。一挙に向かうと見慣れぬ人。ということは、おだあさんに違いない。ということで、ご挨拶。しかし、自分の中で「この人はおだあさん」と決めつけてしまったので、「おだあさんですか?」と聞くことも、自己紹介をすることも無かったのは、まだ寝ぼけていたせいなのだろうか。
続々と集合。私の荷物が多いので、しゅなみさんの車に移したいこと、山永先生たちの朝食がまだということもあって、一時それぞれの用をすますために解散。私はしゅなみさんと駐車場へ行き、荷物を置いて身軽な状態で再び待ち合わせ場所へ。そこには色とりどりのBROMPTONやパシフィックが。なかなかきれい。
と、いうことで、いよいよサイクリングの始まり。しゅなみさん先導。しんがりは私。お世辞にも「良い道」とは言えない道を走り出す。
ここでしゅなみさんのAMANDAに異変が。なんでかフロントブレーキのアーチがぐらぐらになっているらしい。みんなで寄ってたかって修理の後、廃線跡へ。
廃線跡。ここを列車が通っていたのかと、疑ってしまうほどに小さなトンネル。脇に歴史などが記されており、そこを列車が通っていたことを裏付ける。
ここからは快適な道を走る。一番後ろにいる私は、どこをどう走っているのかも把握することなく、どこかにたどり着いた。(笑) ここはなにやら布橋の公園とかいうらしい。よくわかりません。はい。ここで、nassanさんに、一通りKLEIN MANTRA COMPの説明をする。
休憩の後、次は佐鳴湖へ。時々坂を上ったりする。前を行くかとっちさん夫妻が上り初めのところでBROMPTONを入れ替えている。一瞬「?」と思うも、より軽いギアが付いているBROMPTONを奥さんに渡しているのだとわかった。やさしいかとっちさんである。(;_;)
佐鳴湖。
ここで座談会兼、試乗会。UK BROMPTONとTW BROMPTONに乗り比べるが、やはり違いがわからない。それどころか、若干TWの方が良く感じる自分。BROMPTONオーナーからまるで珍しいものでも見るような目つきで見られていたのだろうが、そう感じるんだからしょうがない。(^_^;
初めてのローバーAPB。オーナーの山永先生曰く、「(走りが)重いです」。確かに、ペダルを反対方向にくるっと回すと、1/4回転もしないうちに止まってしまう。ホイールは良く回るので、もしかしたらこの辺に原因が? そう思って走り出すも、あんまり重いという感じはしなかった。サスセッティングが私と違うせいか、「これがいわゆるシルキーフィール」というやつ? とちょっと混乱しつつあちこちウロウロ。しかしなんだかいいのだ、これが。自然なポジション、太いタイヤ、ストロークはないけれど、前後サス。車重も重いらしいけど、いや、これは結構いいんじゃないですか? 今回の一番のお気に入りとなった自転車だった。
モールトンAPBは、廉価なもので20万円くらいで購入できる。ランドナー止めて、こいつにしてもいいかな? なんて大胆に考えてみたりする。
12時も周り、いい加減お昼にしましょうよ。ということで、浜松駅方面へ向かう。道すがらの洋食屋に転がり込んで、まるで用意されていたかのような個室に案内された。
私はカレースパゲティ。と、私が注文を入れた時点でスパゲティは終了だとか。申し訳ない、皆さん。まぁまぁいけました。(^^;
泡の出る麦のジュースなんかでのども潤し、あれやこれやと談笑して店を後に。次は、ミソノイサイクルを襲撃!
到着。早速店内へ。するといきなり風変わりなハンドルを発見。形は、ブルホーンバーの先端を、内側にぐいっと曲げた感じ。その両端に、ノーマルレバーの先が前を向くような感じで取り付けられており、非常に面白いレイアウト。
むくむくと物欲が。どこでも買えるものかと思って「これはオリジナルですか?」と聞くとそうだと言う。いかん、これを逃したら買えないじゃないか。ということで、物欲の勝利。でも、受け取ったハンドルはバーの先端がすぼまって先まで伸びており、要するにDHバーであることが判明。なんだこれ、SCOTTの製品じゃないか。オリジナルと言っていたのは、これを短くカットして使っているという所だけだったらしい。あぅ。でもいいか。面白そうだし。
そんなことをしている間に、残りのメンツは2階で折り畳み自転車を物色していたらしい。店を後にした一行は、今日の最終地、砂丘へ向かうことにした。
みんな車を止めている所がバラバラなので、現地集合に。私は自転車をnassanさんに渡す一大イベントがあるので、nassanさんにくっついて駐車場へ。ここで自転車を載せ、いざスタートというところで、山永夫妻がタイムオーバー。ここで引き上げることになってしまった。お別れを言い、こちらは砂丘へ。
砂丘の駐車場では再び試乗会が。やっぱり、何度乗り比べても違いがわからない。いや、違いはわかるのだけど、優劣が感じられない。しかも、プリモコメットを履いたおだあさんのTW BROMPTONの走行感に、とうとうやられてしまった。ああ、BROMPTONを買うならTWにしてUK鼻を付けて、パニアバッグとプリモコメットで……という物欲が沸々と。
そんな物欲はさておき、砂丘へゴー。砂丘と言うよりは、長い砂浜って感じ。こういうの有りですか? と思いつつ、ま、そんなことはどーでもいいわけで。
陽が落ちかけてきたので、ここいらでお開きにしましょうか。
駐車場で皆さんとお別れの後、私はしゅなみさんの86に乗って、浜松を後にしたのだった。
走行距離 46.41km
走行時間 3h36m
平均速度 12.89km/h
最高速度 41.2km/h
あっという間の二日間。楽しかったです。また、夏頃にでも集まりたいですね。次は信州なんて話も出てます。
今回、ほとんどがBROMPTON。そういう集団で走るともう、目立つ目立つ。信号待ちの車からは「なんだあれ!?」という視線を浴びるし、道行く人は振り返っていくし、一番後ろで一人MTBの自分には居所がなかったですね。(苦笑) 見た目もお洒落だし、そのイメージから反して意外と良く走るしで、結構見直しました。もちろん、本格的スポーツサイクルにはかないませんが、そんなことは百も承知。BROMPTONにはBROMPTON独特の世界があるんだ。そしてその世界はなかなか楽しそうだな…ということはよくわかりました。
ご注意
このBROMPTON L3という自転車は、台湾のNEO BIKEというメーカーによるOEMです。オリジナルの英国BROMPTONとは、乗り味、精度ともに別物と思ってお読みください。
また、このL3というBROMPTONは現在では入手不可能です。
初めて見たのは、すでにいつの頃やら記憶にありませんが、何かと頭をかすめていく折り畳み自転車。それがこのBROMPTONでした。
ある日、BD サイクリングクラブメーリングリストにて、この自転車で、直江津まで行った強者がいることを知りました。すごい、どんな人だろう、そう思って、その人のwebに訪れたのが、山永さんとの出会いです。
ここで初めて、私はBROMPTONの可能性というものに気づき始めたわけなんですが、でも、しょせんはちゃちな折り畳み自転車。私の欲求を満たすものではないだろう。そういう思いこみの元、購入リストにはいることは一向になく、人のBROMPTONにも目もくれずにおりました。
しかし、ある日の横浜ポタにおいて、とうとう「なんだか面白そう」と感じることになり…。
さらに2000年11月4日に行われた浜松オフラインミーティングでの、おだあさん所有のプリコメBROMPTONの走りの軽さで、とうとう崖っぷちに。そして日々繰り返される、山永さんのBBSでのエヴァンジェリスト達の洗脳によって、とうとう「よーし、そこまで言うなら、BROMPTONが本当に面白く、楽しい自転車なのか、実際に買って検証してやろうじゃないか!」というところまで追いつめられてしまったのでありました。
ということで、今回の購入理由は、ただ一つ、「BROMPTONの可能性と、娯楽性に関する検証」であります。正直言って、私がこれを買ったところで、利用目的はとりたてて無いし、通勤に使おうと言っても、通勤時は大切なフィットネスタイムであり、ママチャリポジションでてれてれ走っている場合でもないのです。
果たして私とBROMPTONの生活はどうなりますか。何かを目覚めさせてくれるような結果が訪れるのでしょうか。
BROMPTONには現在三種類のラインアップがあります。まぁ、ここで細かい説明は省きますが、私としては、とにかく、一番安いタイプしか考えてませんでした。何せ、お金がない。今回の資金は、次期ツーリング車のパーツ代を横流ししており、実際、シャレになってません。(笑)
また、「ママチャリポジション」「低重心のため、積載性が良い」ことなどから、近所のお買い物自転車でいいという割り切りもあったので、高いのを買ってもしょうがありません。
しかし、それでも定価67,000円。消費税を入れたら7万円です。高い。そこでwebをあちこちあたってみたところ、CYCLE SERVICE OHYAMAさんで、かなり値引いていることを発見。しばらく悩んでみたものの、結局ここで決着が付きました。メールの対応がすこぶる良かったのが決定打。
納車の時、トップチューブに傷があることを宣言され、それをネタに値引きに入ると、さらに3,000円引いてくれるという話に。じゃ、その分を、サイクルコンピュータも買いますから、安くしてくださいって言ったら、「なら、このサイクルコンピュータをお付けするということでどうでしょう?」ときた。うおお! そりゃ思い切り太っ腹! いよっ、この男前!
と口にしたかどうかはどうでもいいとして、結果、めちゃめちゃ安く手にすることができました。
店員さんは若い人が多いけど、とても対応が良くて、好印象。おすすめですよ。
カラーは、最初、珍しいピンクを狙っていましたが、OHYAMAさんで在庫がないこと、以前に上野クラシックで見たそれは、他の色と違い、ものすごく仕上げが雑だったことがネックとなり、結局、第二候補の赤になりました。もう一つのカラーである緑は、すでにしゅなみさんが持っているし、しゅなみさんは人と同じ自転車を持つのをとても嫌がる人なので、候補から脱落。
まぁ、今度の緑は、ハンドルピラー部も緑になっちゃって、なんだか軍用車みたいな風にも見えるので、元からパスするつもりでいましたが…。
とりあえず、CYCLE SERVICE OHYAMAさん(千葉県松戸市常盤平)から水戸街道を使って上野、秋葉原へ。そして自宅まで、自走して帰って参りました。距離はおよそ30kmちょっと。
いやぁ、まぁ見た目の通りのママチャリポジションですから、せいぜい一日頑張っても50kmくらいがいいところでしょうか。路面からの衝撃は、結構きます。乗り味は硬いですね。エラストマのサスペンションがどの程度効いているのかわかりませんが、この衝撃は、そのポジションからみても腰に影響が来そうです。…なんてことを書いても、そりゃしょうがない。こういう自転車なんだから。なのでどうでも良し。ショップで空気を入れすぎたのかな? と思ってみても、英式バルブは圧の計りようがないのでわかりません。仏式で16インチのチューブって無いのかな?
しかしまぁ、この平和なポジションはどうでしょうか。周りの景色はよく目に入ってくるし、少々の荷物が入ったデイパックを背負っていても、背中に密着しているわけじゃないので、そんなに気持ち悪くなりません。とはいえ、少しでも腰の負担を減らすためには、荷物は自転車に預ける方が賢明。
というわけで、上野クラシックにて純正のアクセサリをいろいろ見てみましたが、なんだこりゃ、アクセサリが高すぎる!
バッグは一番安くて4,000円。それを付けるためのアタッチメント類が全部で12,000円!! 人をバカにしてないか? ふざけんな、こんなの買えるか! ということで、購入は見送り。しょうがなく、STUMPJUMPER FSにつけていたリクセンカウルのアダプタを移植して、お茶を濁している状態です。でもどうなんでしょう、アタッチメント類は今後も買わないかも? ツーリングパニアとかが気に入っていたんですが、高すぎですね。でも、いつかは買っちゃうのかな〜。(>_<)
スタイリングは、改めてみてみるとなかなか美しいですね。とくに、付いていない荷台が幸いしてか、ずいぶんとスッキリした印象です。重心が低いのも、スタイルを美しくしている理由の一つかもしれません。
走り自体は、とにかく「踏み出しが重い」ことが上げられます。これは内装ギアやBBのフリクションの大きさに加え、このポジションもそう感じさせているのかもしれません。一番軽くしたギアでさえも、最初のひと踏みがしんどいです。そしてこの踏みの重さは、そのまま膝を直撃します。納車時の30kmでさえも、後半は膝が重苦しくなりました。
これを回避するには二つ。一つは「膝に負担がかかるほどのペースアップをしないこと」そしてもう一つは「ギア比の見直し」があげられます。まぁ、ここは一つ、ギア比の見直しをするしかないでしょう。
それはそれとして、とにかくポジションが高いので、BROMPTON独自の乗り方を模索しないとなりません。平地は良いとして、ちょっとした上りや、向かい風に対しては、やはり上体を落として(上半身を、ハンドルに覆い被さるように固定して)踏むしかありません。この時って、端から見たら凄く不格好なんでしょうね。(苦笑)
それにしても、このポジションを体感することで、他の自転車の普段のペダリングで、どれほどに上半身の恩恵を受けているのかがよーくわかりました。
小径車故のふらふら感は、このBROMPTONにも多少はあります。しかしそれは乗っているうちに慣れてしまいます。この“慣れる”は、体が慣れるというものではなく、『ふらふらしない走り方が出来るようになる』という意味での“慣れ”です。しばらくすると、それらが「軽快感」を生みだし、楽しい操作性となるようです。
BROMPTONの特徴として、車体に小さな車輪が付いていて、畳んだ後に転がして運べるというのがありますが、私が買ったL3に関しては、車輪は付いているものの、転がすにはいろいろと問題が多そうです。
他のBROMPTONには荷台が付いており、その分、折り畳んだときの地上高が稼げるのですが、それが無いL3では、畳んだ状態で前輪が地面に接地してしまい、事実上転がすのは不可能なのです。ここは非常にがっかり。荷台を付ける以外、逃げ道はなさそうです。ちなみに後付けの荷台は8,500円もします。ざけんなよ! ああもう、転がせないんじゃ、BROMPTONを買った意味が…。(泣)
上手くいくかどうかわかりませんが、付いている車輪を、インラインスケートなどに使われるものに換えることで、高さを稼ぐと上手くいくかもしれません。しかし、これをしてしまうと、ペダリングの際にかかとが車輪に当たってしまうという不具合が発生します。小さいものを使えば回避できるのでしょうが、それじゃ結局地上高は稼げないので、意味が無くなるかも?
ここは、今後いろいろやってみてアップデートしていきます。
下の方で「BROMPTONに剛性とか精度とか、高速時の安全性とかを求めるのは、すでにお門違いなのかもしれません」と、統括してはいるものの、とりあえず書くべきことは書いておきます。(^_^;
やっぱり…というか、これはしょうがないんでしょうが、どうもちゃちです。おもちゃみたい。この印象って、UK BROMPTONだと少しは改善されるのかな?
想像していた以上に剛性はありました(見くびりすぎ?)が、すぐに緩むピボット部などは閉口。乗り味がなんだかグニャグニャしてきたら、要チェックですね。にしても、こんな所が緩むなんて、PL法とか、台湾には無いんかな。(知らないけど)
あと、「長く乗るのに根気がいる」ようです。そもそも長く乗っちゃいけないのかもしれませんが、だんだん飽きてくるんですよね。これってやっぱりポジションかなぁ? アマンダやロードに乗っているときのような「ワクワク」感が無いんです。さらに上りにさしかかると、ただ辛いだけで、征服欲もまったく無し。力を入れられないし、ギアは重い。BROMPTONという自転車は、「飽きたら輪行せよ」が正しいのかも? 一日中サドルに跨っているようなシチュエーションなら、違う自転車にするべきなんでしょうね。
また、ポジションのせいなのか、とてもとても膝に負担がかかります。3日ほど連続で乗ってみたところ、かなり膝が重苦しくなっています。よくよく確認してみると、力の入り方がなんだか変。例えると普通に立った状態で、『右足のかかとを上げ、そのまま右足のつま先を前にスライドさせたときの膝の力の掛かり具合』のようなペダリングをしてるんです。どうも膝周りが窮屈。
そこで、サドルを若干低めにし、後退させ、さらにハンドルを前に少し倒すことで少しでも上半身の力を使えるように変更してみました。
乗り物にとって、止まるということは進むこと以上に大切なことでありますが、ことBROMPTONにとってはそれはまったく当てはまらないようです。止まることは止まるんですが、とにかく強靱な握力を必要とします。ブレーキキャリパーも精度というものはほとんど無く、その“ぐにゃ”っとしたタッチと相まって、かなり最悪です。レバーに至っては、何とプラスチック製。なめとんのかワレ! という罵声はとりあえず抑えて、これって使用者に対して「死ね」と言っているようなものですよね。
当面、「止まれないような速度は出さない」ように気を付けるつもりです。ゆっくり走っているなら、結構止まれます。(^^;
まぁ、この自転車自体、ペダルをガンガン回してかっ飛ばすような乗り物じゃありません。そうですね、せいぜい最高時速は20km/hくらいに止めておいて、たらたら走るのが本来の使用方法なんでしょう。BROMPTONに剛性とか精度とか、高速時の安全性とかを求めるのは、すでにお門違いなのかもしれません。逆に言うと、その辺を何とかしようと世に出てきたのがUK BROMPTONなのかもしれないですね。価格は倍になってしまいましたが…。
畳んだときの小ささ、車輪による移動のしやすさ、楽な乗車ポジション。この自転車には、相応しい乗り方と、そして相応しい乗り場所というものがあるのだと思います。
もう少しあちこち走ってみると、また考えも変わってくるのかもしれませんね。
ご注意
このBROMPTON L3という自転車は、台湾のNEO BIKEというメーカーによるOEMです。オリジナルの英国BROMPTONとは、乗り味、精度ともに別物と思ってお読みください。
およそ2週間乗り続け、メーターは350kmを超えました。いろいろ改造したせいもあり、乗り味はずいぶんと良くなりました。惜しむらくは、最初からこの乗り味が確保されていれば…と思うのですが…。無理な話なんでしょうかねぇ。出来が良いといわれているUKは尋常ならない価格だし。ま、閑話休題。
今回は、ブロの魅力についてちょっとだけ話します。
この2週間で、自転車というものについての考え方を、相当揺り動かされたような気がします。これをしっかり言葉にするのは、なかなか難しいので、今後、この場にてじっくりと語っていきますが、まぁ、とにかくこいつは面白い自転車であることは間違いのない事実です。
パッと折り畳んでどこかへ持ち込む、または移動する。この一連の動作が気兼ねなくできるというのは、感覚的にも新鮮だし、やっぱり便利。そして、これこそが折り畳み自転車の面白さじゃないかと気づきました。そして、最初は乗りにくかったママチャリポジション。まぁ今でも乗りにくいんですが、自転車に乗るのにいつも身構えていた私には、このポジションは、かえって気兼ねなく乗ることが出来るという、いい結果となってくれました。
購入目的であった「BROMPTONの可能性と、娯楽性に関する検証」については、だいぶわかってきた感じがします。でも、まだまだ全容は把握してないのでしょう。これからまだまだ楽しいことはありそうだし、また、この自転車で何かしらをやらかしてみたいという気持ちもあります。もう少しポジションを見直したら長距離も行けるかもしれないですしね。(←それはあんまりやりたくはないんですが…)
この自転車に乗るようになって、数人の人に声をかけられましたが、みんながみんな、その価格に驚き、敬遠しがちな表情になるのが印象的でした。確かに、税込みで7万円近い価格は高いのかもしれません。でも、私の価値観から見て、世の中の7万円の自転車で「これは良い!」と思えるような、完成度の高い自転車というのはないのです。
この辺の価値観のズレは、いかんともしがたいのですが、ここがどうにかならない限り、世の中の自転車を取り巻く環境は変わっていかないのかもしれない…と思いました。
BROMPTONは確かに良い自転車ですが、私が誉めているのはそのコンセプトであり、完成度ではありません。実際、BROMPTONは気に入りましたが、人にはあまり勧められないですしね。
買ったままの状態で乗り続けられると言われているUK BROMPTONは、14万円。完成度と価格は、私は納得できるのですが、これもまた、人に勧められる価格じゃありません。自転車は安いものという考え方が、世の中に浸透している以上、これらは「購入する層が限られた」自転車なのです。「折り畳み自転車が欲しくてBROMPTONを買うのではなく、BROMPTONが欲しいからBROMPTONを買う」わけですね。
流行の折り畳み自転車。私がそれに乗っている。周りの人は自転車に興味を持って声をかけては来るものの、その人の興味と価格がまったく釣り合わない。自動車やオートバイよりは安いし、体にはいいし、なによりも「意外と遠くへ行ける」乗り物であるし、それだけのお金を出す価値はあるとは思うんですけどね。
いっそ、石原都知事辺りが「都内への車両乗り入れ」に関して大幅な制限をかけてくれたりすると、変わってくれたりして…?
BROMPTON L3には、内装式の3段ギアがついてるんですが、これがまぁ、なぜかやたらと重たい。CYCLE SERVICE OHYAMAさんのギア比換算表によると、それぞれクランク一回転で
1段 360cm
2段 491cm
3段 642cm
これだけの距離を進むようになっています。これだけじゃよくわかりませんね。
単純計算ですが、3段目のギアを使って、100rpm(1分間で100回転)でペダルを回すとしましょう。一回転で6.42m進むわけですから、1分間だとその100倍なので、642m進みます。一時間だと38520mです。つまり、時速38km/hも出てしまいます。
回せるか回せないかは別として、ここまでのギアって必要なんでしょうか。レーサーじゃあるまいし、坂道や追い風と言ったって、この自転車でここまで出したら危険です。無茶したって30km/hがいいところ。
というわけで結論。
BROMPTONの内装3段は重すぎる。
そして私は普段、なるべく「軽いギアで速く脚を回す」癖が付いているため、この重いギアはなんだかとても違和感を感じるし、踏む足もとても辛い。ということで、何とか軽くしましょうと決意しました。
いろいろ情報を集めてみたところ、LOROサイクルワークスさんにて、リア14Tスプロケットがあると聞き、早速メールしてみると、他にもUK BROMPTONの純正44Tクランクもあるという。両方取り付けたとして再計算してみると、
1段目 306cm
2段目 418cm
3段目 546cm
となります。およそ、1割半くらい軽くなるようです。3段目でもがいて38km/hだったのが、32km/hくらいになるのかな? だいたい理想通り? よく使うであろう、2段目で、90rpmで踏むと、計算上、22.5km/hと、まだちょっと重いかな? 理想としては20km/hくらいが欲しいけど、まぁいいでしょう。合格!
数字だけじゃ、ピンときませんから、とりあえずやっちゃいましょう! てことで、寒い懐をますます寒くして、パーツ類をLOROサイクルワークスさんに注文。UK BROMPTONに採用されている、44Tクランクセット、そしてリア14Tスプロケット、そして軽い走りを約束してくれる、プリモコメット16インチタイヤの三点。
交換はあっさりと完了。いけね、交換するまえにパーツ類を撮影するの忘れました。(汗) と、とにかく、交換後に試走。すると、とても走りやすいじゃないですか! 膝への負担は軽減されているし、それに、何と言ってもプリモコメットのすばらしいこと! それなりに高圧にエアを入れているのに、今まで以上に優しい乗り心地。ようやく、普通の自転車(この場合の“普通”は、私の基準から見ての“普通”)になってくれました。今までは踏んでも踏んでも進んでくれないような印象だったんですが、今度は踏んだ分だけ、ちゃんと進んでくれます。
さらに、チェーンリングを小さくしたことで、相対的にチェーンの長さが増え、テンショナーのテンションが減ったようで、ペダルもスムースに回るような気がします。BB交換も、もちろん効いているんでしょうが、これは思わぬ福音です。
とにかく、踏みが重いのを何とかしましょう。ということで、まずはフリクション一掃! クランクを逆回転させると、すぐに止まってしまうため、BBを疑ってみた。チェーンをチェーンリングから外して、クランクを回してみる。ここの回転が渋ければ、BBに原因がある。しかしくるくる回る。BBはまぁ合格。でも、話によるとBBはあまりいい部品が使われていないらしいので、シマノのUN-52というBBに換えました。これで多少は踏みが軽くなるはず?
外したノーマルのBBは、非常にシンプル。クランクをつなぐ軸と、ベアリング、玉押し(って言い方でいいのかな?)のみ。シェル(軸が入っているパイプね)の中でむき出し状態のため、雨水やらほこりやらが入り込み、ベアリングを痛めつける可能性はとても高いと見ます。ノーマル派の方は、半年に一回くらいオーバーホールすることをおすすめします。または、シマノのカートリッジタイプに換えちゃいましょう。
さて、んじゃ、このフリクションはどこにあるのか? あちこち検証してみたところ、どうも「強すぎるチェーンテンショナー」「内装ギアの精度」ではないかと予想します。
チェーンテンションは非常に強いです。ここまでしないとダメなんでしょうか。また、ガイドローラーの精度も低そう。ガイドローラーは、シマノのものには入れ替え不可能なのかな? 今後検証してみたいです。
内装ギア。ちなみにタイヤを回すと、それなりに回り続ける(それでも早く止まるけど)ので、フリーの方はまぁ、いいとしましょう。しかし、クランクを回してタイヤを回転させると、ギアの重さ以外の、妙な重さが伝わってきます。アマンダのシマノ105辺りとは、確実に違う重さです。これは多分、内装ギアの内部の精度に絡んでくるのではないかと。これを何とかするには、シマノの内装ギアにするしかないんですが、こうなるともう大手術になっちゃうので、これは見送り。
なんだ、ほとんど手出しできないじゃん。(苦笑) ま、ここは後々やりましょう。
下記、車種別リンクから、お好みの車種を選んでご覧ください。
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STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測
Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm
BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm