またもや夜中、今度はかなりの量の雨が降った。午前5時に起きてみるものの、霧雨がまだ残っている。天気予報では、濃霧注意報、そして午前中は60%の降水確率。ダメだこりゃ。今日も昼まで待って、回復の見込みが無ければ今日も泊まりだ。明日はいいようなので、今日一日我慢すればいい。食料もギリギリ間に合う。足りないと思っていたのだけど、買い溜めしておいたサラスパがあったのを忘れていた。これで一安心。
それにしても同じ所で二日も足止めを食らうとは思いもしなかったな。それも「いい場所だからもう少し居よう」なんてのじゃないのだからイヤな話だ。急がない旅だからいいとは言うものの、表に出られないとなると暇で暇で気が滅入る。 なんにしても下へ降りてもこの天気は変わってないようなので、道東に居る限りは結局こうなっていたのだろう。何せ、この時期の霧は名物なのだそうだ。ああ、それならそれで温泉に近いところが良かったなぁ。(;_;) この寒さじゃいつもの方法で髪も洗えない。 まぁ、まだ全然甘いのだろうけど、これが自然の厳しさってやつですかね。
しかし、食料はいいとしても、いい加減風呂に入りたい。VAIOの最後のバッテリーを使って、インターネットタウンページで銭湯を検索。住所からMapFANで場所を確認する。げげ、結構遠いなぁ。15km位はあるぞ。まぁでも空荷の自転車なら往復して1時間半くらいか。 さぁて、どうしようか。風呂と買い出しのために下まで下りるのならいっそテントを畳んで次の知床へ行った方がいいような気もするし…。30km走るのならあと40km走るだけで知床だ。(自転車の重さの違いはもちろんあるけれど…)
……考える。徹底的に考える。今の時間は午前11時。昼まで様子を見たとして、午後1時に出ても、知床へは遅くったって午後6時到着。先ほど下から上がってきた人に話を聞くと、下の方はこれ程の霧は無いらしい。 今困っているのは、雨だの曇りだのという前のこの霧だ。下に下りさえすれば多少は活路が見いだせるかもしれない。……行ってみるか? いや、まだ何かきっかけが欲しい。
なんてことを考えているのに、手は荷物を片付けに入ってる。む〜、やはり行こうか。 雨具を着てテントの撤収に入る。何せ1分表に出ていれば着ているものがしっとりと湿ってしまうのだから、バッグなどおお急ぎで取り付け、濡れたテントを折り畳む。およそ30分後、霧で何も見えない開陽台を離れた。
走り出して15分。やっぱり止めればよかったかな…とちょっぴり後悔しつつ下る。眼鏡はもうあっという間に水滴で見えなくなる。何度も指ワイパーでぬぐう。 下り初めて約10km、ようやく前が見えるようになってきた。霧はあるが、ややマシといったところか。国道244号線を目指す。相変わらずの直線だ。でも霧でどこまで続いているのかわからないので、気が滅入ることはない。
標津。海が見えるはずだけど、ほとんど見えない。霧は晴れないようだ。この海岸線は結構意地悪で、大きめのアップダウンが続く。とにかく、一刻も早く次の宿に着きたいから、無心でペダルを踏む。景色など見えないのでなんにも見ない。休憩も最小限。キツい。移動のためだけの走行はつまらないし、肉体的にも精神的にもキツい。
羅臼まであと10kmの所で買い出しに入る。気持ちとしては、晴れるまで羅臼に居て、国後をもう一度見てから宇登呂へ行きたいと思っているので、量も多めに買い込む。お店のおばさんに、自転車か? と聞かれる。いつものパターンの会話が始まる。買い込んだ量を見て、
「それにしても、ずいぶん豪勢だねぇ」
と言った。羅臼に数日居るつもりだと言うと、おばさんは納得していた。 買い込んだ食料をバッグに詰め込んでいると、後ろから声がした。
振り返ると、年の頃、80〜90歳とおぼしきおばあちゃんがたたずんでいた。
「あれまぁ、大変だねぇ」
これをきっかけにまたいろいろと話をした。歩くのは遅いが、しっかりしたおばあちゃんである。思えば霧多布にも、昆布取りのおばあちゃんが、私ですらもビビッてしまうような崖(!)を上って来たのを見つけて偉く驚いたが、いつまでも元気でいられるというのは凄いことである。
さて、やっとのことで今日の宿「国設羅臼温泉キャンプ場」へ到着。人気らしく、テントがすし詰め状態。ここでなんと開陽台に居たライダーを発見。その人の隣に設営した。
ここにはサイクリストが私以外に3人。しかも一人は女性だ。別の若いサイクリストが炊事場の近くで自転車のメンテナンスに悩んでいる様子。思わず声をかけてしまう。なにやら、ブレーキワイヤーをタイラップで固定しようとしているのだが、長さが足りなくて困っているという。ん? それなら2本連結して長さを稼げば? そう言うと彼は驚いたように「あっ、そういう方法があったんだ!」と言ってきた。おぃおぃ。(^^; 彼は日本一周を目指しているらしいのだが、ちょっと心配になってきた。まぁ、こういうことはトラブルを重ねているうちに覚えるものだから、大丈夫でしょう。うん。頑張ってね。
さぁ! 風呂だ! 温泉だ! 即刻着替えて露天へ。到着すると、そこは本当に露天だ。男湯は仕切りすらない。わはは。しかも小さい。自然のままの温泉という感じだ。ここでもいろんな話をして…というか、しすぎて失神寸前。(えらく熱かったから) 上がるとき、わきにため湯があったのを見つけて、「ちょっと足にかけてから出るか」とかけたのが大間違い。それは温泉そのままの熱湯で、思いっ切り足に火傷を負ってしまった。(確認しろっての)
痛い。痛みをこらえてテントに戻る。すぐに簡易バケツに水を張り、テントの中で足を冷やす。思わず声が出そうなくらいに痛い。しばらく冷やした後、メンタームを塗りたくり、靴下を履いた。メンタームのせいかヒリヒリヒリヒリ…。とにかくもうこの後なにも出来なくなってしまったので、飯も食わず、痛みをこらえつつ眠ることにした。
すごい後悔の念に襲われる。この旅もこれで終わりなのだろうか。こんなくだらないことで? 明日の朝には痛みが引いてますように…。と祈りつつ今日が終わった。
走行距離 74.8km
実走行時間 4h13m
平均速度 17.7km/h
最高速度 48.2km/h
積算距離 1020.8km
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タイヤ周長一覧(実測値)
STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測
Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm
BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm