昨年、2000年5月に実行して大失敗に終わったダブルセンチュリーラン。ダブルセンチュリーランとは、センチュリーマイル、つまり、100マイル=160kmを二回の320kmを、連続して走る耐久ランのこと。これをまた今年もやってみようと思い立ちました。とにかく、一度で良いから成功させたい。そういう思いで、今年の春先から時機をうかがってきました。チャンスが有ればいつでも…と思っていましたが、夏は危険だし、それ以降はいろいろイベントが詰まっていたので、結局体育の日に絡んだ10月6日〜7日に決めました。
ルートは前回と同じ。自宅を出て、秋葉原から国道17号に入り、高崎から18号にスイッチ。日本海手前から、県道579号で直江津へ向かいます。
目標は24時間以内。でもまぁ、たとえこれを過ぎても、間を空けずにたどり着ければいいので、時間に関しては気にしないことにします。
たぶんペースは変わらないでしょう。という前提の元、前回の進み具合を鑑み、「到着したい時間に出発する」のが適当ではないか…ということで、午後4時に出発。24時間後のこの時間なら、力つきても宿を探して潜り込むだけの時間の余裕はあります。
さて、レポートの方ですが、前回、これを書くのに結構苦労しました。なにせ、走り詰めで、満足に止まることもせず、日が暮れても走っていましたから、満足な「記憶」と「画像」が無く、20時間も走っていながら、とても短いレポートになってしまいました。
今回、一応小さなメモ帳を持っていき、あちこちでいろいろなことを書き殴ってはみたものの、どうもイマイチです。よって今回はそのメモ帳を元に、時間ごとにどのくらい進んだか、その距離と時間がわかるようにしてみました。これが、もしかしたら、「自分もやってみたい」というチャレンジャーへの、一つの手助けになれば幸いです。
すぐにコンビニで買い出しと、ATMで引き落とし。脚は軽く、ペースはいきなり上がる。踏むまでもなく、ペダルが落ちていく、AMANDA特有(?)の走行感にすでに酔う。これから24時間走り続けるプレッシャーは、この時点で忘れてしまった。
気温はちょっと暑い感じだけど、自転車にはちょうど良いのかな。まだこの時点では、自転車用のメッシュのアンダーシャツと、サイクルジャージ(半袖)だけだ。
ここから17号に入る。あとはもうまっすぐ進むだけ。迷う心配もない。東大赤門前を16:52に通過。この時に見た案内板には高崎まで104kmとあった。良いところ、6〜7時間くらいか。出来れば、今日中に高崎には到着したい。
戸田橋。露出を間違え、明るく写っちゃいましたが、もっと暗かったです。
走行距離 23.68km
走行時間 1h08m
平均速度 20.8km
すでにだいぶ暗くなってきた。これから夜明けまでの約12時間、暗い中を走ることになる。眠気と集中力か…。いずれにしても行くしかない。10分後の17:40に蕨市へ入る。
国道17号は大渋滞。自転車の方が速いけれど、なにせ、渋滞で止まっている車の脇を走るのは、非常に集中力を要する。一度、「ありがとう事故」(だっけ)に遭遇しそうになった。走り出した車の間から、道路を横断してきた反対車線の車が視界に飛び込んできた。
「やばいっ!」
そう思ってブレーキ。しかし、指は前レバーにしかかけていなかったので、前ブレーキだけが強力にかかり、思わず前転…するまでもなく、急減速、リアタイヤは少し持ち上がったものの、ストンと何事もなかったように降りた。リアバッグにものを詰め込みすぎていたのが幸いした。
走行距離 64.86km
走行時間 2h55m
平均速度 22.2km
すぐに熊谷市にも入る。このあたりまで良いペースで来ていたものの、さすがに速度が落ちてきた。脚もこわばってきて、無理に踏むとつってしまいそうになる。まだ走り出してから4時間しか過ぎてないのに…。
とにかくペースを落とすしかない。でも、脇からは車がガンガン抜いていくので、それにつられてどうしてもペースが上がってしまう。足がつったらお終いだ。そうならないことを祈りつつ、水と塩分を摂る。
走行距離 87.41km
走行時間 3h54m
平均速度 22.3km
少し冷え込んできたので、レッグカバーとアームカバーを着け、ノースリーブのウインドブレーカーを着た。しばらくは暑いくらいだったが、次第にちょうど良くなっていった。
脚は相変わらず厳しい状態。ちょっと力を入れれば、すぐにつってしまいそうに、ビクビクいっている。やばくなると止まって30秒ほど休み…を繰り返す。
落としたいペースはなかなか落ちない。それどころか、平均速度は上がってしまっている。
メモには「疲れた。なんだかもうダメだ」と書いてある。ここまでで約6時間。だいたい100kmとして、あと12時間以上。気持ちの余裕は全く消え失せていた。
のどが渇いて、アクエリアスを飲むが、これだと渇きをいやせない感じ。飲んでも、のどに引っかかる感じがする。素直に水を飲む。これがなんだか美味かった。
走行距離 99.85km
走行時間 4h32m
平均速度 21.9km
高崎まではもうすぐだ。ペースを上げてきたせいか、予定よりも早い。
22:17に、新柳瀬橋を通過。高崎まではあと9km、長野までは128kmとある。
走行距離 112.19km
走行時間 5h8m
平均速度 21.7km
22:30に高崎市に入り、23:00に国道18号へスイッチ。
ペースを落としたためか、若干回復した感じがする。しかし全身がだるい。普段ならもう寝ているような時間だから、体がそれを要求しているのかもしれない。
小諸までは61km、およそ、4時間程度か。午前4時くらいに着くと予定通りなのだが…。
気が付けば、周りは真っ暗。外灯と外灯の間がとても長い。その間は真っ暗。バッテリーライトの明かりだけが頼りだ。
ときどき、パラッと雨が降る。道を軽く湿らす程度にはなったものの、雨具を着るほどでもなく、革サドルだけにカバーを掛けた。
走行距離 124.54km
走行時間 5h53m
平均速度 21.1km
碓氷と書かれた看板を見るようになった。おぎのやはまだ先だ。
0:26に安中榛名駅近くを通過。気温は17℃、風速2mとある。あまり寒い感じはしない。道は、少しずつ上り始めており、ここまでで疲労した脚に堪える。まだまだ上りは続くのに、すでにもうお腹いっぱい…という感じ。
走行距離 138.82km
走行時間 6h55m
平均速度 20.0km
ようやくおぎのやに到着。ここは24時間営業なので、ここでまともに休憩する。タンパク質を摂ろう! とか思って、月見そばを食べてみた。食べている最中、ふと何かが私の左側を通過した。虫にしちゃでかいな。なんて無視(笑)していると、おもむろに誰かに後ろから肩を掴まれて、「失礼」という一言とともに、私の胸を払った。
何かが床に落ちた。よく見るとなんとゴキブリ!!
その人(お店の人らしい)は、そのゴキブリを追ってあちこち走り回っている。衛生管理はしっかりしてくれよもう。
出口で地図を見つつ、バイパスは自転車が通れるんだろうか…と、ちょっと不安になる。まぁ、そこがダメでも、新和美峠というところを通過すれば、先へ進めるようだが、結構遠回りになりそうだ。
ここで、山永さんから、バイパスは30円で自転車も通れるという情報が入る。助かる。と、同時にiモードのすごさと、協力してくれる人のありがたさが身に染みた。
青年に声をかけられる。自転車で直江津を目指しているというと驚いてくれた。いや、本当はもうこのまま帰りたいんだけどね。(苦笑) 1:30に再スタート。気温は15℃。少しずつ下がっている。
いつ、どこからバイパスに入ったのかわからないが、すでに始まっているようだ。「碓氷バイパスは48個のカーブ」という看板のあと、ナンバーを示す看板があったのだ。てことは、料金所は、上りきって、下ったところにあるのだろう。
とにかく上りがキツい。外灯は全くないので、周りの様子がわからない。地面を照らしているライトを、少し上向きにしてみる。こんな小さなライトだけど、周りに一切明かりがないととても明るいことがわかる。これで看板もよく見えるようになった。
道を通るトラックは、上りではあるけれど、勢いよくやってくる。頼むから気づいてくれ。それだけを願う。
何カ所かに現れる、チェーン脱着場には明かりがあるので、そこで少し休む。座り込むと寝てしまいそうになる。疲れた足をさすり、ストレッチをする。
道の先は見えないので、あとどのくらいかがわからない。たまに見える看板で、8%前後の傾斜が続いていることだけがわかる。これがかなりめげる。標高の看板は、1,000mってところまでは確認していた。そこからさらに上っていったので、それ以上はあるのだろう。
走行距離 151.68km
走行時間 8h32m
平均速度 17.7km
やっと上りきった。およそ、全行程の半分は来た。……てことは、あとこの倍は走らないとならないわけだ。泣けるなぁ。
下りは寒そうだけど、とりあえず下って様子を見てみよう。ノースリーブのブレーカーを脱ぎ、長袖のブレーカーに着替える。グラブは、インナーグラブを付けるだけ…というか、これしかないのだったりする。
走行距離 175.68km
走行時間 9h45m
平均速度 17.9km
下りは最高。寒かったので、途中で下にフリースのシャツを着て、タオルを首に巻く。これで十分防寒になった。あくまでも、耐えられるほどの寒さ…という状態ではあったが…。
少しずつ明るくなってきている。先ほどのダウンヒルで寒い上に、眠気も最高潮。何とか耐える。コンビニで買い出し。
気温は13℃、先ほどの寒さはもう無い。多少かすんでおり、山の上は霧がかかっている。ちょっぴりお尻が痛くなってきた。でもまだ平気。
ここからひた走りになったようで、メモには何も書かれていない。記憶も全くない。この先の更埴で、友人が応援に現れてくれるというので、連絡を何度か取る。iモードのメールは便利だ。
8:05に篠ノ井橋を越えた。ここで写真を撮っていると、ロード乗りの人に声をかけられた。どこまで行くんだという質問に、東京から来て、直江津へ向かっている。と応えると、「ふ〜ん」という反応しか返ってこなかった。やっぱり、普通の人じゃないと驚いてくれないのだな。(笑)
9:00頃に友人達(小西氏、あーるくん、あーるくんの友達)と東和田付近で落ち合う。久しぶりに会うので、いろいろ話も弾む。ゆっくりとどこかで落ち着いて話をしたかったのだけど、急ぐ身故、20分くらいでその場をあとにした。応援ありがとうございました。
走行距離 236.99km
走行時間 12h37m
平均速度 18.7km
太陽が顔を出し、暑いのだけど、風が冷たくてブレーカーが脱げない。しかし、太陽が暑いので汗をかく、暑いけど脱ぐと寒くて風邪を引きそう…という悪循環状態。
走行距離 241.56km
走行時間 12h55m
平均速度 18.6km
野尻湖へ向かう道はいきなり上り始めた。最後の峠だ。とはいえ、ここからしてかなり標高があるので、峠というにはちょっとイマイチ。でもこの疲れ切った体には十分手強い。だらだら、いじいじとペダルを回す。時間にはちょっぴり余裕があるはずなので、無理はしない。したくもないし、出来もしない。
道は多少記憶があった。昨年、このあたりで寒さにやられ、もうダメだ、どこかで休みたい…と、霧の中をさまよっていたので、いろいろ周りを見ていたのだ。ああ、こんな建物があったなぁ。なんて感慨にふける。
一茶旧宅らしいです。まわりには、こんなわらぶき屋根が点在してました。
11:49に上りきった。距離は258.74km、上りはおよそ17kmくらいだった。ここから若干の上り下りを繰り返して、一気に下りに入る。
前回、くじけて入り込んだホテルもあった。懐かしい。
下りを堪能する。この、上越の下りは、傾斜は緩いのだけど、とにかく景色がよろしい。ペダルを止めて下ると30km/hくらいしか出ないけれど、その分、ゆっくりとこの景色を堪能できる。普段とは違う意味で「これだーっ!」って感じ。天気は良いし、道も良い。路側帯が広いので、車に怯えることもない。
でも、ときどき「ガクッ」となる。あれっ、今自分、寝てた? 完全に居眠り運転。ああ、自転車でも居眠りできるんだ〜。って、感心している場合じゃないぞ! とりあえず止まってみる。自転車にまたがったまま、目を閉じる。数秒で「ガクッ」 あぅあぅ、寝てますよ、自分! いかん、相当眠気が来てる。
走りながら、気を紛らせるためになんか歌ってみる。あああ、ダメだ、こんなに景色が良いところを走っているのに、寝たらいかん〜!
結局、こんな感じで、一番美味しい道を下っていったのだった。
下りの風景…なんですが、露出間違いで景色が消えてしまいました。(; ;)
走行距離 287.87km
走行時間 15h33m
平均速度 18.4km
あと15kmくらいか。しかし、ここからいきなり強い向かい風が…。1時間くらいかかっちゃうかな…にしても、24時間で到達できるのは間違いなし。ゆっくり行くことにした。
走行距離 300.10km
走行時間 16h17m
平均速度 18.4km
疲れた。とにかく疲れた。そして眠い。 このあと、どうしようか悩んだ。まだ休みは一日あるから、ここで泊まっていってもいいな。そう思って直江津駅の観光案内へ行くと、なんと閉まっている。この三連休で閉まっているとは、観光させる気があるのか、直江津市長!(^^;(いや、市長はこの際関係ないんだけど、ちょうど駅前で市長がなにやら演説をしていたので…)
しょうがないんで、帰ることに。15時13分発の列車で上野駅へ。席に空きはなく、ずっと立ちっぱなし。眠さとの戦い。これが今回、一番辛かったような気がする。眠気には逆らえないものだと、心から思った。
全走行距離 314.49km(自宅−直江津、上野−自宅)
全走行時間 17h21m
全平均速度 18.1km/h
最高速度 90.7km/h(笑、どこかで誤動作したらしい。よって不明)
実際にかかった時間 22h19m(6日16時〜7日14時19分)
実際の平均速度 14.09km/h
……終わりました。目的は果たされました。「ああ良かった」これが今の心境です。もう二度とやりたくはありません。でも、なにかこう、あとから沸々とわき上がる達成感は、何にも代え難いものがあります。やりたくはないですが、またやる時が来るのかもしれません。いやぁ、しばらくはないでしょうけどね。
今回、影からいろいろと応援してくださった、iCycling!の方々、わざわざ会いに来てくれた小西氏、あーるくん、そのお友達に感謝します。みなさんのお力添えがなかったら、もっと時間がかかって、もっとくじけていたことでしょう。
下記、車種別リンクから、お好みの車種を選んでご覧ください。
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BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm