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2000年05月04日(Thu) edit

[ツーレポ] 「東京−直江津300km耐久ラン」with AMANDA 20inch Folding

直江津駅前

はじめに。

 サイクリストなら一度は目指す(かどうかはわからない)、300km/dayという耐久ラン。いわゆる、ダブルセンチュリー(正確に言うと320kmだけど)と呼ばれるこの距離を体験することは、一つの夢でした。

 昨年、170kmを思った以上に楽にこなせたとはいえ、その倍の距離というのはまったく想像もつきません。

 しかし、その時からマシンは代わり、300kmも夢でない、アマンダがあります。

 このところの就職活動も疲れたし、G.W.に入った今しかやれるチャンスは残っていません。自信はありませんが、このチャンスを逃してはいけない! かくして計画は実行されたのです。

 とにかく24時間以内を目標として、直江津港まで走ります。今回は宿泊のことはいっさい考えないで行こうと思いましたが、途中で力尽きる可能性は非常に高いため、念のためにシュラフだけは持っていくことにしました。最悪、地面で寝ることになっても、これさえあれば眠ることは出来ます。

 着替えは持ちません。(^^; 観光などもする暇はないし、向こうに着いたらそんな気力もないでしょう。とんぼ返りの予定で、着の身着のままです。まぁ、せいぜい温泉くらいは入ってきたいですね。

 このところのツーリングを振り返ると、平均速度はだいたい17km/h〜18km/h辺りのようです。このペースで300kmを走ると、およそ17時間。休憩時間などを含め、20時間…はむりだから、22時間くらいだったらすごいな〜という、いい加減な計算(絶対に無理でしょう)により、到着予定時刻は5月4日から5日に変わったあたり。真夜中になってしまいますが、これよりも早く着くことはないでしょうし、着いたらすぐに適当なところに潜り込んで(野宿あり)、とりあえず眠ることはできそうです。(えらいいい加減だな)

 ルートは、言葉にするととても簡単。「国道17号に入り、高崎市で国道18号へ」これだけです。怖いのは、この二つの国道を、無意識に逸れてしまうことだけ。特に今回はナイトランも必ずありますから、暗闇が苦手(あんまりよく見えない)な私には結構神経を使うことでしょう。

 ナイトランがあるとはいえ、ライトの装備は貧弱です。この辺、一抹の不安がありますけど、まぁ、予定通りに進めば、暗闇を走るのはスタート直後と後半6時間くらい。なんとかなるでしょう。(ホントか)

 さ、それじゃ参りましょうか。

気分の乗らないスタート

 数日前からどうも体調が良くなく、あまり気乗りしない状態のまま、午前3時に家を出ることに。国道17号線に入るには、秋葉原を通過するのだけど、この時間の秋葉原というものは異様な雰囲気がある。なんかこう、不気味というかなんというか…。

 国道17号線に入り、あとは高崎までひた走り。真夜中であるのに、まったくライトを必要としない都心の道を駆け抜ける。ここを抜けるまでは、異常に、常識外れなくらい異常に走りにくいところを走る羽目になる。以前に行った伊豆同様、幹線道路というのは車のことしか考えられていない事がよくわかる。危険を顧みず、ずっと車道を走り続けた。

 戸田橋を越える。気がつけばもう埼玉だ。しばらく進むと、右手に要塞のような建物が見えてくる。これは、さいたま市の新しい合同庁舎だとか…。豪華だなぁ。

 午前7時を回ったので、朝食のために吉野屋に入る。並と卵で力を付けて、再び走り始める。

 午前10時前、ようやく高崎市到着。この辺りから、徐々に景観も変わってくる。気のせいか、空気も違って感じる。

観音様。でかい。
国道17号から18号へスイッチする辺りに見える観音様。

 安中あたりから、走りに集中しすぎてしまい、地図の現在地を見失ってしまった。とりあえず、18号からそれなければ問題は無いはず…と、道を急ぐ。

コーナー184個の碓氷峠

 しばらく進むと、横川のドライブイン「おぎのや」に着いてやっと現在地がわかった。ここから少し行けば、すぐに碓氷峠だ。ここまででおよそ145km。これから峠かと思うと気が参るけど、初めての碓氷峠に気持ちははやる。

 入り口に入ってすぐにロード3人組に抜かれる。軽く挨拶をかわして、様子を見てみる。速いのは一人だけのようだ。しかしその人はすごくて、バーッと上っていったかと思うと、また引き返してきて列に戻り…を繰り返している。何者だ、ありゃあ。(^^; 自転車は前後異径のブルホーンバーロード。(はたまた、トライアスロンか、タイムトライアル用?) 詳しいメーカーまではわからなかった。

 彼らはすぐに一つ目のコーナーのところで休憩に入り、私は彼らを抜いた。しばらくすればまた抜かれるんだろうな。

 この碓氷峠は合計184個のコーナーから成り立っていて、一つ一つのコーナーに番号が振ってあるので、あとどのくらいかというのがつかみやすい。

 とはいえ、それでも184個だ。ただ数えていたって大変なのに、それが山道だというのだから楽しませてくれる。(笑)

 ひいこら言いつつ、頂上へ。とくに何があるわけでもないので、少し休憩しただけでまたスタート。

碓氷峠頂上です。
碓氷峠頂上です。

そして日は沈む

 御代田を越えて小諸に入った。懐古園の看板が見える。行ってみたいけど、今はそんな時間は無い。この時点で、すでに午後3時。もう走り始めて12時間が過ぎた。我ながらよくやる。

 日が沈む前に長野に到着したかったのだけど、このままでは無理だろう。となれば腹ごしらえだ。目についたトンカツ屋に入ってロースカツを食べた。中で店員(店長かもしれない)のおばちゃんと旅の話で盛り上がる。コーヒーをごちそうしてくれると言ってくれたのだけど、先を急ぐので気持ちだけありがたく頂いた。

 30分後、長野へ向けて走りはじめる。日は、それからしばらくして沈んでいった。

今日の夕陽
夕日を撮ろうとしている間に沈んでしまいました。早すぎ。

おかげでずいぶんと色合いがよく、綺麗に撮れました。山水画みたいでしょ。

 夜。長野通過。当然ながら、辺りは真っ暗。この状態で、車道を走るのはかなりの恐怖だけど、歩道はとにかくペースが落ちるので、無理は承知の上で車道を進む。CAT EYEの大きなフラッシャーライトが後方を照らす。これだけが後ろから来る車への合図。お願いだからみんなちゃんと気づいてくれ〜。

最後のヒルクライム

 牟礼村に入る。これから最後のヒルクライムだ。自転車で、街灯なんか無い、夜の峠を走るのは初めてだけど、明るいバッテリーライトのお影で不安は無い。周りが真っ暗なだけに、その明るさも際だつようだ。

 上るにつれて、徐々に寒くなっていくのがわかる。日が暮れた上に、標高が上がっているのだから当然だ。しかし、温度の下がり方は、あまりにも急激で、容赦なく体力を奪ってゆく。下で15度くらいあった気温は、8度、6度とどんどん下がっていく。それだけならまだしも、霧まで出てきてしまった…。寒さはハンドルも震わせ、真っすぐ走ることもままならない。ダメだ、これ以上進むのは危険だ。かといって、この霧では野宿もできない。万事休す? 疲れた。すぐにヘタリ込んで眠れたら、どんなに幸せだろうか。走りはじめてからすでに19時間が過ぎている。あ〜もうダメ〜。と、いつもの通りの泣き言が出てくる。

 とあるコーナーを抜けると、ホテルが目に入った。もちろん、こんなところにあるのだから、ご察しの通りラブホテルである。一旦通り過ぎる。でも、これ以上進める元気はない。体の震えも収まらないし、入ってしまえっ!

 別に後ろめたい気持ちはないのだけど、しばらく入り口でウロウロする。とりあえず料金を確認し、休めるのなら安いものだと、7,000円の部屋のボタンを(ここが独特)押してフロントへ。

 こういうところはプライバシーもあるから無言で済むかと思ったら、こんなところに自転車で入ってきた私に興味があった(防犯カメラで見ていたらしい)らしく、いきなりラブホテルのフロントで管理のおっちゃんと話し込んでしまう。(^^;

「雨でも降ってきたのかい?」
「いえ、霧が出てきてしまったので…。それにずいぶん気温も下がってきましたし…。」
「そうかぁ。まだまだここも冷え込むからなぁ」

 とりとめもない会話が続いた。

 そしてとりあえず無事に部屋へ。安心したのか、いきなり、睡眠薬でも飲まされたかのように眠くなってきた。何とか体を動かしてシャワーを浴び、ついビールなんか飲んでしまったら、ばったりと眠りに落ちてしまった。

 ちなみにこの部屋、大した仕掛け(笑)があるわけでもなく、普通のホテルのダブルと何ら変わらないところだった。残念。(何がだ)

計画断念!?

 …かくして今回の計画は、すべて水泡に帰したのであった。

 24時間での到達は無理だったけど、これもまた経験。次があるかはわからないけど、一日で275kmは走ったのだから、個人的には満足。

 ということで、朝8時半にチェックアウト。太陽は出ているけれど、気温が低いのか、当たる風はとても冷たい。でもこれがまた心地よい。

 走り始めて気づいたのだけど、どうやら昨晩泊まったホテルのちょっと手前が上りのピークだったようで、走り始めてからずっと見渡す限りの下りが続く。景色も良くて、黒姫山や妙高山などがとても綺麗に見える。ああ、こんなに美しい景色を拝めるんなら、泊まったのは正解だったなぁ。

たぶん、妙高山です。(^^;
たぶん、妙高山です。(^^;

 ここから先はほとんど下り。ギアをアウタートップに入れたまま、てれてれとペダルを回す。これでも速度は常に30km/h以上出ているから快感だ。

 ひたすらひたすら、高速道路のような綺麗な道の路側帯(こちらはすでに雪国のため、路側帯が異様に広い)を快適に突っ走る。

 寺町というところから、18号を逸れ、県道579号線、北国街道とやらへ入る。このまままっすぐ進めば日本海だ。

 そして約20kmほど進んで、ようやく道は突き当たった。でも、あまり見通しの良いところはなく、なんとか海が見えるところへ到達。距離計は320kmに届こうとしていた。

やっと来ました! の、日本海です。
やっと来ました! の、日本海です。

 日本海というと、荒波というイメージがあるのだけど、ここはとても落ち着いている。直江津港へ行ってみるけれど、ここも海に直面できるところがない。いい加減疲れたので、素直に直江津駅へ行く。

 チケットを買い、駅前商店街へ。何か食べようと思っていたのだけど、大した店があるわけじゃなく、結局駅前の立ち食いそば屋へ。(;▽;) 不味いそばとカレーを食べ、午後1時29分初の列車に乗って帰ったのだった。

出発:4日午前2時45分
日本海着:5日午前10時40分

宿泊を含めた総合時間:30時間55分

走行距離 324.36km
走行時間 17h44m
平均速度 18.2km/h
最高速度 55.5km/h

終わって…

 夜を徹して走るというのは、とにかくつまらないものでした。今回は、24時間というタイムリミットを設定していたから、しかたがないとはいえ、何も見えないところをひた走るのは、とにかく疲れるし、気持ちも持続しませんね。今回のようなチャレンジはそうすまいと思いました。

 とりあえず、1日の走行限界として、またレベルアップし、275kmまで走ることが出来ました。連日を考えると、200km…は無理かな…? というところでしょうか。いずれにせよ、峠を含む今回の計画で、いつも通りの18km/hという平均速度を達成できたのは大きいです。今後はこれくらいを目安にツーリング計画が立てられます。

 関係ないですが、今回、走ることの次に疲れたのが輪行でした。自転車10kg、その他の荷物が合計4kg(シュラフや工具、ピラーキャリア、雨具など)ありました。これらを担いで歩くのは本当にしんどかったです。自転車はやはり何とかして転がせるようにしないとダメですね。

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広川 [素晴らしいですね 感動しました]

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STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測

Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm

BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm

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