午前5時。雨は降っていない。頭痛は相変わらずだ。とりあえず朝飯。
瀬棚〜長万部バスは9時25分ということなので、まだ余裕はあるものの、時々スコールのような雨が数秒間降るというおかしな天気なので、降っていない時を見計らって「それっ」とばかりにチェックアウト。2km程離れたバス停へ急ぐ。時間は午前8時過ぎ。
バス停に到着。何やら貼り紙が。えっ? バス運休? なぁにぃぃ!!?? 一気に全身から血の気が引いていく。どうする。残るバスは札幌行きで、一旦札幌まで出るしかないか? それともタクシーで長万部か? それはキツすぎる。
とにかく、今日会うことになっている室蘭の「りょう」さんへ連絡しておく。するとなんと瀬棚まで来てくれると言う。(;_;) はぅ〜ありがたい。こちらはどうにもならないので感謝しつつお願いする。
直後、とりあえず、札幌行きバスが出ているフェリーターミナルへ行く。いろいろと情報を仕入れるためだ。
「すいませ〜ん、長万部行きバスが運休になっているということで…」「はい? 長万部行きバスは動いてますよ?」「えっ? で、でもバス停に運休の貼り紙が…」「おかしいですね、フェリーターミナルにはそういう連絡は入っていません。バス会社の方へ一度問い合わせてみてもらえますか?」
ということでバス会社へ電話。するとバスはしっかり動いているという。がーん! どういうこったー!(^^; 大急ぎでりょうさんへ再び連絡。とりあえずこちらはバスで長万部へ。りょうさんはそこまで来てくれるということになった。
さぁ、急いでバス停だ。バス到着までの時間は後30分もない。パッキングがあるからのんびりしていられない。うきょー! と、一気に荷物をパッキング、自転車を畳み、バス乗車に間にあった。
長万部までの230号線を走る。雨は降ったり止んだり。そして午前11時過ぎ、長万部駅へ到着。後は待つだけだ。しばらくしてりょうさん到着。お会いするのは初めて。そこからお昼ということで「浜ちゃんぽん」なるものを食べに行く。
来たのが凄い。イカがまるまる入ってる。つぶ貝やらホタテ、はまぐり、エビ、カニ、なんでもござれだ。もちろん全部食べ切れない。(^^; 残してしまった。
膨れた腹を抱えつつ、りょうさん宅へ。うぉっ、広い部屋だ。3LDKくらい? しかも家賃を聞いてさらにびっくり。書かないけど、たぶん東京ではその家賃の部屋は無いと思う。3畳一間ならあるか?(^^; ここで洗濯させてもらって、温泉!
登別温泉へ行く。入浴料が安い割りにはしっかりとした温泉。たーっぷりとふやけて、ビール一気。ふー、やっと平穏を取り戻した。(笑)
その後はドライブしつつ夕食のために居酒屋「味喜屋(みきや)」へ。刺身盛り、カニ剥き身、私は三食丼、りょうさんはうな丼を注文。そうそう、ちなみにお昼も温泉も全てりょうさんのおごり。(;_;)
むむ、こりゃ美味いぞ。ボリュームもたっぷりだし、しかも安い。うみゃー! たまたま相席したカップル(?たぶんそう^^;)にもおすそ分けしてたいらげる。このカップル、偶然にもりょうさんの後輩だったそうな。
この旅行で締まった(はずの^^;)身体が、今日一日でたるんだんじゃないかと思うくらいに食った。良い店はあるし、車があれば登別、カルルス、洞爺湖などの温泉が目と鼻の先。いいっすねぇ、室蘭。
部屋へ戻り、翌日の計画などを立てる。でもたぶん天気は良くないだろう。ダメならダメでのんびりしていよう。午後9時半頃就寝。
本日未走行のため、走行データ無し
いつもの習慣で午前5時過ぎに目が覚める。りょうさんはまだ寝ているので、そろりそろりとメールチェック。自転車雑誌などを読む。
午前9時半頃、りょうさん登校。こちらは雨が止むまでTVなんかをひたすら。TVも久しぶりなので、なんだかじっくりと見てしまう。結局、今日は一日TVを見て終わってしまった。
夕刻、東室蘭駅へ行き、帰りの夜行列車「北斗星」のチケットを買う。そして午後6時、りょうさん帰宅。アヨロ温泉へ行く。作りは古くさいけれど、正統的という感じの温泉。いい湯を楽しみ、帰宅。
途中買い出しをする。今夜はりょうさんが料理の腕を振るってくれると言う。メニューはジンギスカン。でも、サッポロのとは違って、多少アレンジがされている。おいしかった。(^^)
明日は帰宅の日。でも、発車は夜ということで、昼間は室蘭観光をすることにする。でもなんだか足がだるいので、どこまで行くかは未定。
本日未走行のため走行データ無し。
とうとう最後の日が来た。朝、りょうさん登校のあと、午前11時くらいにりょうさん宅を後にする。いろいろとありがとうございました。
とりあえず地球岬へ行ってみる。たぶん、坂がきついんだろうなと思いつつ、国道を進むが、たまに上ったり下ったりするだけで、結構平凡。というウチに入り口近くなってきた。2kmほど手前から一気に上る。ぎゃー、なんじゃこりゃー! という位の坂。もう、りょうさんの家には戻らないつもりだったので、荷物フル満載。重い。ローでぎしぎし言いながら、上っては休み、休んでは上りを繰り返す。
今日はなんだか限界が早い。暑さのせいだろうか、息が上がる。呼吸が追いつかない感じ。やっとのことで地球岬駐車場へ。しばらく動けない。(^^; 休憩の後、展望台へ。おおお、こりゃ見晴らしがいいや!
じっくりと堪能して、食事処で焼きそばを食う。その後、観光道路を通って室蘭方面へ。道を下りきると、すぐに図書館が目に入った。おお、こりゃいい、時間つぶしと休憩がてら、読書といこう。1時間ほどこもる。
東室蘭へ戻る。時間は午後2時過ぎ。まだ時間は思いっ切り早い。そういえば、東室蘭に温泉があったよな。という記憶で探してみるとすぐにあった。「楽々温泉」
ここで1時間ほど。その後、近くのセイコーマートで遅めの昼食兼夕食。これで午後4時。さーて、後はもう思いつくことはない。いっか。もう駅へ行こう。
東室蘭駅。荷物を畳んで改札近くへ行く。改札が始まるまであと3時間半くらい。もう、何をしていたのか忘れるくらいにボーッとする。眠いし。
午後7時40分。改札が始まった。乗るのは午後7時53分発の北斗星。時間は10分足らずだから、焦ってホームへ行く。なにせ、階段があるから一度に済まない。まずは自転車を下ろし、戻ってひとまとめにしたバッグを下ろす。
ホームに北斗星が入ってくる。写真を撮ろうと思ったけど、着いてからでいいか…と撮らなかった。これは後に大後悔の元となる。
B寝台の自分の寝床へ。まぁ、こんなもんでしょ。でも(たぶん)生まれて初めての寝台車。わくわく。
いよいよ発車。夜の東室蘭を離れる。ちょっぴり寂しい感じもするけれど、でも、またきっと来るに違いない。北海道はそういう魅力がある。
暗くてほとんど何も見えない窓にへばりついて、とにかく気を紛らせる。
食堂車からアナウンス。食事はなんだか予約のみのような印象。まぁ、高そうだし、弁当にしようと思って食堂車へ行くと、なんと一つ1,000円もする。ばかー、そんなの買うかー!(;_;) しゃーないので、東室蘭で買っておいたビールとチョコで済ます。眠いし。
函館を過ぎる頃にはウトウト。結局青函トンネルに入る頃にはすっかり眠っていたらしいです。(^^;
走行距離 27.9km
実走行時間 1h57m
平均速度 14.3km/h
最高速度 53.6km/h移動による走行ではないために、積算には含めず。
午前4時過ぎ。隣の寝台のおばさん連中が騒ぎ出した。うるさい。思い切り普通の声で喋ってる。札幌で買ってあった耳栓を耳に詰め込む。
午前6時半頃、アナウンスが入った。現在福島。停電があり、停止中とのこと。はぁ、そうっすか。もう福島まで来ちゃったのか…と、むっくり起きて顔を洗う。
そうこうしているウチに、食堂車からアナウンス。はぁ、朝食ばかりは食わないとイカンだろうってことで、高い弁当を買って食う。量だけは多かった。味はなんとも言わないけどね。(^^;
しばらくして北斗星は走り出した。40分遅れだそうだ。私にはどうでもいいことで。
窓の景色を見つつ、時々仮眠しつつ、福島から宇都宮、大宮と次第に東京へ近づいてくる。そして午前11時10分頃、予定より50分ほど遅れて上野駅到着。
そうだ、北斗星撮らなくちゃ! と先頭車両へ行くと、すでになんだか違う。ふつうの車両になっている。あれ?
……よく考えてみると、出発したときは当然気動車だったのだけど、なにもそのままここまで来る必要はないわけで…。どこか途中で先頭車両が切り離されたのだった。がーん! ショックー!(;_;) 泣く泣く諦め。
いきなり暑い。運良く、外へ出るまでに階段はなかった。しかしすでに汗がだらだら。やっぱりこっちの暑さは違う。自転車を組み上げた頃にはすでに暑さでヘロヘロ。
せっかくなので秋葉原の前を通っていく。久しぶりだ。うきうき。買い物は後日の楽しみにしておこう。という訳で、小諸そばに入ってたらふく食う。秋葉原の小諸そばは私のお気に入り立ち食いそば屋。
ここからなんだかすでに懐かしさすら感じるいつもの道を通って、自宅到着。こうして私の51日に及ぶ旅は終わりを告げたのであった。
移動前提の走行距離 2337.1km
観光も含む、全走行距離。2590.9km
出発の日、羽田から飛行機が飛び立ったときの心境を今でも覚えている。
「おいおい、飛び立っちゃったよ。いいのか? おぃぃ」
こんな感じ。準備期間は十分あったにもかかわらず、結構ばたばたしたまま出てしまったのでこんな心境になったのかも。それから50日間、いろんなコトがあった。自分でこの日記を読み返しつつ、本当にいろいろなことがあったな…と感慨深いものを感じる。
結局のところ、自分にとって何か糧になったことはあったのかと考えると、よくわからないのが本音。体重も、体脂肪も全然変わっていなかった。(^^; 坂は多少強くなったかもしれない。でも、結局東京へ帰ってきてしまえば、坂の強さなどどうでもいいことだ。ここには北海道に匹敵する坂が無いのだから。
北海道は本当に広かった。そして、空や海が青く、緑が美しいところだった。
こちらの人たちはとにかく優しく、一人旅なのに全然寂しくはなかった。
旅の途中で地元の人によく聞かれたのが「どこがよかった?」だったのだけど、北海道には外れがない。天気が良ければ、どこへ行っても最高に良いのだ。
雨、霧、風。これらには本当にやられた。それまで長いツーリングは経験がなかったし、千葉県一周ツーリングは膝痛でまともに走れなかった。今回、初めて長い旅をすることとなって、やはり、これらの障害には胃が痛くなる思いだった。でもやっぱりそういう辛さがあったからこそ、いい景色に出会えたり、おいしい食べ物に出会ったりしたときの感動も深いものになる。
そして山だ。それまで山らしい山を走ったことはなかった。北海道の山は、全国的に見てどうなのかはわからないけれど、初めての経験に、とにかくいろんなことを思い知らされたような気がした。
雄冬で出会った55歳のサイクリストはこんな風に話していた。
「僕はそれまで登山なんかやってる奴の気持ちがよくわからなかったんだけど、前回四国八十八カ所巡りを自転車でやってみて、その気持ちがよくわかったんだよ。特に、自転車で山を登ったときのあの達成感と充実感は自転車ならではのものだと思う。他では味わえないんだよね」
自転車での上り。普段に比べ、生活用品まで乗っかった状態で、ひぃひぃ言いつつ、心臓も「これ以上鼓動が早く出来ませ〜ん」と音を上げそうな状態で、ギリギリとペダルを踏み込む。腿のあたりは次第にじわ〜と筋肉が硬直していくのがわかる。汗は頭から腕から足から吹き出し、ぼたぼたと地面へしたたり落ちる。きつい。次第になにをやっているんだろうという気持ちになってくる。前を見てもまだまだ坂は続く。目の前のカーブを抜け、その先にさらに長い上りが続いているとき、もう激しい絶望感に包まれたりする。ダメだ、もう上れない。とうとう足をつく。悔しい。足をついてしまった時点で自分はもうその坂に負けてしまった。敗北者の気持ちを抱えつつ、再び足をペダルに乗せる。
そして自分という人間が、この坂すら征服できない小さな人間であることに気づく。でも、今は上っていかないとならない。そうしてやっと上りきったとき、それまでのことなどどうでもいいじゃないかと思うようになる。とにかく、自分はこの坂の頂上にいるんだ。それでいいじゃないか。素直にそう思えるようになる。
そして下るときにつぶやく。「次を見ていろ」と。
またいつか北海道へ行ってみたい。ここは何かをつかめそうな気がしてならない。山は他にもたくさんある。でも、ここだけはなんだかひと味違う気がするのだ。山だけではない。気が遠くなるほどの直線。イライラするほどに上ったり下ったりの道。ゆるやかに、そして意地悪に上っていく道。ありとあらゆる道が、ここにはある。自分を試すための舞台は、すべてここに整っているような気がするのだ。
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タイヤ周長一覧(実測値)
STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測
Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm
BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm