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1998年04月29日(Wed) edit

[ツーレポ] 千葉県一周ツーリング with SPECIALIZED STUMPJUMPER FS

はじめに…

 前回からずいぶんと日が過ぎてしまった。どこにも行っていなかったわけではないのだけど、ここに書くような場所はなかなか無かったのだ。しかし今回は自信を持ってここに紹介できると思う。

 生まれて初めて“趣味として”自転車に乗るようになってもう1年が過ぎた。その間、いろんなところを走り、年間で5000km程を走った(プロ級の人なら2ヶ月で走る距離だけど…)。そして自転車というのは意外にも遠くへ自分を運んでくれることを知り、いつかは遠くへ…という思いを抱くようになった。

 今回は初めての泊まりがけのツーリング。初めてなので、近場、しかも車で4〜5回は走って慣れている、千葉県一周で決まりとなった。

場所 とにかく海沿いをひたすら走り、富津から館山、勝浦、九十九里を通り、銚子からまっすぐに江戸川区へ向かって帰ってくるという、単純なコース。期間は一週間。トラブルなど無ければ十分な期間だろう。観光など、出来ればいいが、どうなるだろうか…。

1日目 曇りのち晴れ 初日から膝の故障

 午前5時に起き、6時に家を出る。船橋を抜けるまでは通勤ルートを使う。通勤と違うのは、今回は山ほどの荷物を積んでいるところだ。これから最大7日間の旅に出るということで、気持ちもはやる。オーバーペースにならないように、心拍計をチェックしつつ湾岸道路から14号へ入る。ここから16号は延々と単調な道が続く。

 しかし、ペースをあげすぎたのか、袖ヶ浦、木更津を抜けたころから膝が重くなってくる。やばいなぁと思いつつ、富津が近いこともあり、休憩を取らずに走り続けた。

すでに疲れ果てているヲレ

すでに疲れ果てている筆者。

 富津岬へ出る。太陽も顔を出し、暑い。展望台へと上り、雄大な景色を堪能する。ここいらでお昼にしようと、適当な店に入ってサザエ丼を食べる。まぁまぁかな。

富津岬の展望台から

展望台から海を臨む。

 午後からもう一走り。すでに今日の予定の富津は過ぎてしまった。後は行けるところまで行って、日が沈む前に宿を探そうと、海沿いの道を軽快に走る。しかし膝はだんだんと深刻になってくる。とりあえずギアを軽くし、負担を減らして走り続ける。この辺はもうひたすら無心だ。

 鋸南町、富山町を超えて富浦町まで来てしまった。しかし、足はもうかなり痛んでいる。宿はどうしようか…と地図を眺めていると大房岬にキャンプ場があるらしきことがわかった。ようし、ダメでもともとで行ってみよう! と大房岬へ向かう。

試練の激坂?

 そこに待ち受けていたのは激坂上りだった。膝も痛いのでインナー×ローにしても全く上れない。仕方がないので押しに入る。気温も高いこともあり、すでに全身汗だくだ。心拍計はもう150を超えている。足が元気ならちゃんと挑戦してみたい坂なのだが、そうも言っていられない。体力的にも限界に来ている。なるべく何も考えないようにしてようやく上り切った。さぁ、ここから下りだ! ゆっくりと自転車にまたがり、そっと走り出す。黙っていても50km/h以上の速度が出る。下りきるとそこはホテルだった。ん? ホテル? なんで? 地図で確認しようにも、細かいところまではわからないので確認のしようがない。いずれにしてもここがホテルである以上用はない。半べそをかきながら、勢いよく下ってきた道をまた押し始める。

 どのくらい上ってきただろうか。途中に駐車場が目に入った。自販機もあったので、休憩がてら中に入る。はて、なんでこんなところに駐車場があるんだろう。ここは何かの施設なのか? …はた、と気づく。もしかして! と周りを見渡して案内板を探す。痛みでひくひくと痙攣する膝を抱えてたどり着いた案内板にはでかでかと「キャンプ場」と書いてあった。…ここだよ。

 直ちに事務所へ向かう。

「あの、予約していないんですけれど、キャンプ場、一泊できますか?」
「普段は予約制なんですけどね、今日は空きがありますからいいですよ」

 やった…。一気に力が抜ける。 すぐに手続きをしてキャンプ場を案内してもらう。

「温水シャワーもありますからね、ごゆっくりどうぞ」

 全身汗だくの私をみてその人は言った。

この高さまで上ってきました。

 この高さを押して上ってきたわけだ。思い出しただけでも疲労感に襲われる。

水だ…

 すぐにテントを設営し、着替えを持ってシャワー室へ急ぐ。中に入りシャワーを出してお湯になるのを待つ……が、1分過ぎても2分過ぎてもお湯にならない。…おい。こんな季節に水で洗えってか? が、しかしすでに全裸。またいちいち着替えて事務所へ文句を言う気にもならない。どうしようもないので、水でタオルをしめらせて体を拭くだけにした。まぁ、これだけできるのでもありがたいことだ。野宿覚悟の旅なのだから、贅沢を言ってはいけない。

 その後すぐさまテントに潜り込み、夕食にありつく。あらかじめ買っておいたウイスキーをストレートで1口2口やる頃にはすでに眠りについていた。午後6時過ぎ就寝。

走行 136.5km
平均 17.3km/h


1998年04月30日(Thu) edit

[ツーレポ] 千葉県一周ツーリング with SPECIALIZED STUMPJUMPER FS

2日目 晴れ 痛みとの戦い

 夜中に何度か目が覚めたが、起きたところですることもないのでひたすら目を閉じていた。朝5時過ぎにのそのそとテントから出て顔を洗う。日は昇っているようだが、ちょっとかすんでいてよくわからない。午前6時過ぎにキャンプ場を後にする。チェックアウトが早いのがキャンプ場のいいところだ。

 走り出してすぐ、また膝が痛み出した。さすがに一晩では治らなかったか。軽いギアとゆっくりした回転数でペダルを回す。結果、サドルにどっかりと座るような形になるため、だんだんとお尻も痛くなってくる。下半身はもう全滅状態だ。 館山に入る。ここで突然膝に刺すような痛みが走った。

「がっ!?」

 思わず声が出る。すぐに停止。ペダルから足をおろせない。力を入れると激痛が走る。どうしよう? ここから引き返せば館山駅はすぐだ。輪行して帰るか? 頭ではそう考えているのに、なぜかゆっくりと自転車から降りて押し始める。これ以上先へ進んだところで、動けなくなったらどうしようもないんだぞ! と自問自答を繰り返しているのに、足はゆっくりと先へ進む。こんなところで帰ってたまるか! まだ二日目だろうが! …しばらく歩いて、試しにペダルに足を乗せてみる。あ、乗る。まだ走れる! 再び前輪は洲崎灯台へ向かって進み出した。

 この辺りの道はトンネルが多く、怖い思いをさせられたが、何故か車はちゃんとよけていってくれる。中にはトンネルの中で対向車があるから私を抜けないでいるトラックなど、都内ならばクラクションの雨霰にあうところなのに、それをせず、私の速度に合わせて対向車がいなくなるまでゆっくりと走ってくれた。さらに抜いていくときもしっかりとこちらとの距離を取ってくれるので、冷や汗をかかずにすんだ。しかもそれはそのトラックだけではなく、みんなそうなのだ。ぎりぎりで通り過ぎていく乗用車や、「邪魔だ!」とでも言いたげにクラクションを鳴らす車はみんな県外。この辺りの人たちの温かみが伝わってくる経験であった。

 綺麗な海とまぶしい太陽に支えられながらフラワーラインへ入る。だが、ここから再び膝とお尻の痛みに襲われ続ける。15分走っては5分歩く…という状態がずっと続く。風も強いため、思うように距離が進まない。今回の一番の楽しみだったフラワーラインを走るという目的を果たしているところなのに、気持ちは散々だ。

フラワーライン

 フラワーライン。春先だとここ一面花で覆われる。ちょっと曇ってます。

 そしてヘロヘロになりつつ野島崎灯台へ到着。だが止まる気にもなれず、そのまま通過。すでに意識はどこかへ飛んでいる。今日はどうしようか、野宿かな、宿かな、キャンプ場はあるかな…。まだまだ昼過ぎなのに、もう一刻も早く横になりたい気持ちに襲われる。

 丸山町に入った。道すがら国民宿舎を見つける。どうしようかな。でもまだ日は高い。60kmも走っていないのにな…。と、そこの前で座り込む。今更…と思いつつも足をマッサージする。ふと気が付くと数メートル先に小さな女の子がこっちをじっと見つめて立ちすくんでいる。ううっ、やだなぁ、子供は苦手なんだが…。その子は少しずつこちらへ近づいてくる。う〜。仕方なく立ち上がり自転車を押し始める。するとその女の子は手を振りながら「ばいば〜い」と言ってきた。こちらも思わずぎこちない笑顔を返しながら「ばいば〜い」と返す。

 国民宿舎の敷地に入る。まだ気持ちは泊まるかどうするか迷っている。えーい! 今日はもう少し進んでみよう! と道へ出て走り出した…ら、すぐ隣にキャンプ場があった。うっ、これは…。そこは隣の国民宿舎が管理しているところらしい。その時ようやく気持ちが固まった。「いいや、今日はここにしよう」 すぐに国民宿舎へ戻り、手続きをした。

 時間は午後1時過ぎ。国民宿舎のお風呂が使えるというので、その時間までテントの中で眠りこける。久しぶりの風呂にも入り、静かに沈む夕日を前にビールで乾杯する。この足のため、先の道中が心配だけど、とりあえず今は最高の気分だ。

走行 58.0km
平均 12.9km/h


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タイヤ周長一覧(実測値)

STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測

Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm

BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm

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