前回からずいぶんと日が過ぎてしまった。どこにも行っていなかったわけではないのだけど、ここに書くような場所はなかなか無かったのだ。しかし今回は自信を持ってここに紹介できると思う。
生まれて初めて“趣味として”自転車に乗るようになってもう1年が過ぎた。その間、いろんなところを走り、年間で5000km程を走った(プロ級の人なら2ヶ月で走る距離だけど…)。そして自転車というのは意外にも遠くへ自分を運んでくれることを知り、いつかは遠くへ…という思いを抱くようになった。
今回は初めての泊まりがけのツーリング。初めてなので、近場、しかも車で4〜5回は走って慣れている、千葉県一周で決まりとなった。
場所 とにかく海沿いをひたすら走り、富津から館山、勝浦、九十九里を通り、銚子からまっすぐに江戸川区へ向かって帰ってくるという、単純なコース。期間は一週間。トラブルなど無ければ十分な期間だろう。観光など、出来ればいいが、どうなるだろうか…。
午前5時に起き、6時に家を出る。船橋を抜けるまでは通勤ルートを使う。通勤と違うのは、今回は山ほどの荷物を積んでいるところだ。これから最大7日間の旅に出るということで、気持ちもはやる。オーバーペースにならないように、心拍計をチェックしつつ湾岸道路から14号へ入る。ここから16号は延々と単調な道が続く。
しかし、ペースをあげすぎたのか、袖ヶ浦、木更津を抜けたころから膝が重くなってくる。やばいなぁと思いつつ、富津が近いこともあり、休憩を取らずに走り続けた。
すでに疲れ果てている筆者。
富津岬へ出る。太陽も顔を出し、暑い。展望台へと上り、雄大な景色を堪能する。ここいらでお昼にしようと、適当な店に入ってサザエ丼を食べる。まぁまぁかな。
展望台から海を臨む。
午後からもう一走り。すでに今日の予定の富津は過ぎてしまった。後は行けるところまで行って、日が沈む前に宿を探そうと、海沿いの道を軽快に走る。しかし膝はだんだんと深刻になってくる。とりあえずギアを軽くし、負担を減らして走り続ける。この辺はもうひたすら無心だ。
鋸南町、富山町を超えて富浦町まで来てしまった。しかし、足はもうかなり痛んでいる。宿はどうしようか…と地図を眺めていると大房岬にキャンプ場があるらしきことがわかった。ようし、ダメでもともとで行ってみよう! と大房岬へ向かう。
そこに待ち受けていたのは激坂上りだった。膝も痛いのでインナー×ローにしても全く上れない。仕方がないので押しに入る。気温も高いこともあり、すでに全身汗だくだ。心拍計はもう150を超えている。足が元気ならちゃんと挑戦してみたい坂なのだが、そうも言っていられない。体力的にも限界に来ている。なるべく何も考えないようにしてようやく上り切った。さぁ、ここから下りだ! ゆっくりと自転車にまたがり、そっと走り出す。黙っていても50km/h以上の速度が出る。下りきるとそこはホテルだった。ん? ホテル? なんで? 地図で確認しようにも、細かいところまではわからないので確認のしようがない。いずれにしてもここがホテルである以上用はない。半べそをかきながら、勢いよく下ってきた道をまた押し始める。
どのくらい上ってきただろうか。途中に駐車場が目に入った。自販機もあったので、休憩がてら中に入る。はて、なんでこんなところに駐車場があるんだろう。ここは何かの施設なのか? …はた、と気づく。もしかして! と周りを見渡して案内板を探す。痛みでひくひくと痙攣する膝を抱えてたどり着いた案内板にはでかでかと「キャンプ場」と書いてあった。…ここだよ。
直ちに事務所へ向かう。
「あの、予約していないんですけれど、キャンプ場、一泊できますか?」
「普段は予約制なんですけどね、今日は空きがありますからいいですよ」
やった…。一気に力が抜ける。 すぐに手続きをしてキャンプ場を案内してもらう。
「温水シャワーもありますからね、ごゆっくりどうぞ」
全身汗だくの私をみてその人は言った。
この高さを押して上ってきたわけだ。思い出しただけでも疲労感に襲われる。
すぐにテントを設営し、着替えを持ってシャワー室へ急ぐ。中に入りシャワーを出してお湯になるのを待つ……が、1分過ぎても2分過ぎてもお湯にならない。…おい。こんな季節に水で洗えってか? が、しかしすでに全裸。またいちいち着替えて事務所へ文句を言う気にもならない。どうしようもないので、水でタオルをしめらせて体を拭くだけにした。まぁ、これだけできるのでもありがたいことだ。野宿覚悟の旅なのだから、贅沢を言ってはいけない。
その後すぐさまテントに潜り込み、夕食にありつく。あらかじめ買っておいたウイスキーをストレートで1口2口やる頃にはすでに眠りについていた。午後6時過ぎ就寝。
走行 136.5km
平均 17.3km/h
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タイヤ周長一覧(実測値)
STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測
Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm
BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm