今年で4回目を数える「麦草峠アタック」に、今回は妻を連れて行きました。もちろん、峠は上れないので、初日は彼女だけ清里辺りで時間を潰してもらって、翌日の小淵沢までのお手軽コースを走ってもらうことにしました。
急遽決まったツーリングであったこともあり、妻共々ばたばたと出かけることになってしまったのですが、これはこれで、かえって良かったかなと思ってます。じっくり考える時間があったら、多分、連れてはいかなかったと思いますし…。
以前、沖縄へ行った時のことです。長いツーリングの前というのは、いつも気乗りがしないのが私の常なのですが(レポートにも書いてありますね)、後日、レポートを読んだAMANDAの千葉さんから、「それは一人で行ったからではないか? なぜ奥さんを連れて行かなかったの?」と突っ込まれてしまいまして、ああ、それも原因の一つだったのかなぁと。
まぁ、いきなり沖縄一周に連れて行っても、どうなったかは想像に難くないので、あれはあれで結果オーライということにして、さて、それじゃ今後どうしましょうか。そういう思いがいつも頭にあったことは確かです。
そんなこともあり、今回は何とかして連れて行こうと。普段自分がどういう所を走っているのかも見てほしいし、地元とは全然違う所を、あえて自転車で走ることの快感も味わってほしい。もちろん、楽しいばかりじゃなく、多少なりとも続く上りにうんざりするかもしれないけれど、それは決して嫌な思い出にはならないと確信しているし、結果としては喜んでくれるに違いない。
そしてこれを期に、峠の楽しさに目覚めてくれることを祈りつつ(^^;、少々無理を承知で、二人で行くことにしました。
幸い、こっつぁんちの宿も取れて(おのさん、宿の手配ありがとうございました)、後は行くだけ。
輪行の都合上、妻はBROMPTONで行くことになったのですが、まぁ、難所らしい難所は、翌日は無いはずだし、あったとしても、押し歩きか、もしくは自転車を入れ替えれば何とかなるはず。体も自転車も準備は万端とは言えないけれど、なんとかなるでしょ!
ということで、果たしてこのツーリングの結果は…?
午前4時過ぎに起床、軽い朝食を済ませ、自宅を後に。今回もまた、実家の父親に駅まで送ってもらった。
妻の相棒(自転車)は、これほど長い距離を移動する輪行は初めてということもあり、その辛さを最小限にすべく、BROMPTONに決めた。初日は峠を上らないことと、二日目はそれほど上りが続かないようなルートを走る予定だったので、まぁこれでもいいかなと…。
最寄り駅から新宿へ。ここで参加者の方々と待ち合わせ。行きの切符は私が全員の分の指定券を買っておいたので、自分を含め、遅刻する人が出るとかなりヤバイ状況になるはずだったが、さすがみなさん、時間通りに集合。
妻は、切符の都合で自由席。指定席の私に、妻の携帯から、自由席が2座席分取れたという連絡が入ったので、自分もそちらへ移動。妻は何とか座席に辿り着いたものの、自転車の重さや駅の移動のしづらさに、すでにややお疲れ気味。大丈夫かなと、少し不安になったり…。
そして7時16分、定刻通りに発車。発車でどたばたしてしまったこともあり、お弁当を買いそびれてしまった。空腹を我慢しつつ、体力を消耗しないよう、半分眠りこけながら、9時46分に茅野駅到着。ここで@nak夫妻と合流。
各自自転車を組み上げ、準備万端。ここで妻とは一度お別れ。彼女は再び列車で清里まで行って、一日時間を潰してもらうことに。
さぁ、いよいよ今年の麦草峠アタックの開始。どうなるかなぁという不安は尽きない。なにせ、回を重ねる毎に太って行く自分。この頃じゃ一回で数十kmを走るなんてことは皆無。通勤で片道14kmは走っているけれども、その通勤ルートの走り難さから、有酸素運動をキープするのは至難の技。どうしても安全を考えてヘロヘロ走りになってしまう。
上りきれるかどうかということではなく、自分の納得が出来る上り方が出来るか…ということに目標を掲げて走ってきた私ではあるが、もう、そんなことはどうでもよい。とにかく、上りきらなければならないのだ。
とりあえず、自分の調子を見る。悪くは無いけれど、やっぱり息が上がるのが早い。天気がとても良くて、最初のコンビニに着いた時にはすでに汗がダラダラと…。お腹が空いたので、おにぎりを食べてみる。
再スタート。峠に入る前から、ちょこちょこと顔を出す上り坂。先頭を行くおのさんは言うまでも無く、@nakさん達も良いペース。しかしこちらはなんでかすでにゼーハーしていたりする。途中で@nak(あ)さんに「先に行ってもいいですよ?」と言われたのだけど、もはやすでにそれ所ではない。「やばいかも」という思いが頭をかすめる。
例年通り、初めのうちは休憩ポイントが多い。去年はこの多い休憩でペースを崩しそうだったのだけれども、今年はこれがなんだか有り難い。でも、休憩が多いとそれだけ到着も遅くなるわけで、精神的な焦りが増えてくる…。
平野さんが、気になるパン屋があるというのでみんなで寄ってみた。私はすでにバッグがきゅうきゅうで、買っても入れる所が無いので表で待機。すると@nak(た)さんが買ってきたパンをお裾分けしてくれた。揚げパン?(真直ぐなドーナツ?)、これがまぁ、出来たてサクサクで実に美味しい。ん〜、車なら豊富に買って帰りたい所。来年はもう少し考えてパッキングしよう。(^^;
ひたすら上る。何度か休憩を挟み、そして上る。息が上がり続けているため、次第に、走りながらの会話に入れなくなっていく。@nak(た)さんは、おのさんと世間話に盛り上がり、こちらは無理に相づちを入れるので精一杯。そして休憩の度に目の前が霞んでいく。どうやら軽い酸欠状態になっているらしい。足も、ふくらはぎあたりがつりそうな予感。そして、標高が上がってきているので、停止すると1分もしないうちに寒くなっていく。状況は悪い…。
皆さんもまだまだ余裕です。
そしてとうとういつもの、マイペースと言う名の、戦線離脱をすることに決めた。ある休憩ポイントから、「すいません、先に行きます」と言い残し、マイペースをキープ。これは、私の峠の上り方の癖で、極力休憩をせず、負荷を低くして、一定のペースで上っていくやり方。どうしても辛くなって来たら、自転車に跨がったまま、30秒〜1分くらい休む。補給は全て走りながら。
ひたすらひたすらペダルを踏む。脚よつらないでくれ。それだけを祈る。標高の看板を見つつ、まだまだ先が長いことを自覚する。
冬季閉鎖ゲート。ここで一度皆さんを待ちましたが、すぐにまた一人で上り始めました。
お腹が空いてきた。バッグにはまだ少しだけ補給食があるけれど、止まらないと取り出せないので、やっとここで停止。ふと右手を見るときれいな景色が広がっていた。あ〜綺麗だなぁ。せっかくなので一枚。
マイペースに変更したせいか、まだ脚は何とか大丈夫。踏み方を色々と変えて、同じ筋肉ばかりを使わないようにしてみる。効果があるのかわからないけれど、つってしまうという強迫観念から抜け出すためには、あれこれやってみるしかない。
ダラダラと上る。麦草は今年で4回目だけれども、何度来ても先が読めない。というより、毎回こんな感じで呆然と走っていれば、覚えるものも覚えらるわけがない。何となく記憶がある箇所を通り過ぎても、そこが頂上からどの辺なのかは、もちろん、さっぱりと把握できない。距離も、標高もちゃんと把握できないため、ペース配分ができない。結果、マイペースは少しずつ崩れ、後半はヒィヒィ言いながらの道のりとなった。ま、自業自得でしょ。初めての時はかなり余裕だったんだけどなぁ〜。
そして毎年目印にしている箇所に出た。上り途中に、急に平坦になって、一瞬だけギアが上げられる所だ。やっとここに出たか〜。後もう少しだ〜。
先が見えてきたことで、精神的にも余裕が出た。標高の看板は2,100mを越えた。あと27m上ればいい。がんばれがんばれ。
長い直線に入った。これが表れると、もう辿り着いたも同然。しばらく行くと、頂上近くの山小屋、ヒュッテの看板が見えてくる。毎度のごとく、一旦通り過ぎ、最高地点の看板まで行き、写真を撮る。
すぐにヒュッテへ戻り、入口に自転車を停めると、まきさんが到着。少し休憩をすると、まきさんは「じゃ、ちょっと行ってきます」と言ってまた走り出した。上の看板へ行くのかな? と思って見ていると、来た道をまた引き返していった。う〜ん、今年はもうあれは出来そうにない。
しばらくして、全員が上り切った。毎回、よくも脱落者無しでみんな上り切るものだなぁ。本当にそう思う。みんなで一緒に上る連帯感からか、それとも峠の魔力という奴か…。
そして全員で記念撮影。
山小屋へ入り、しばしの休憩。みんなコーヒーやらケーキやら食べてる。私はといえば、後は下るだけなので、楽しい夕食へ向けて、数時間のダイエットに突入。
ここから楽しくも恐い下りだけれど、ここで@nak夫妻とはお別れ。彼等は来た道を引き返し、道の途中のペンションに停めてある車で帰宅するのだそうな。お疲れ様でした。また走りましょう〜♪
さぁ、下りだ。
とりあえず再後尾を行くことにする。下る下る。楽しい〜。これがあるから自転車の峠はやめられん。
この自転車、AMANDA 700Cのギア比は、徹底的にトップギアを殺して、クロス&ローギアで組んであるので、下りではそれほど速度は乗らない。とはいいつつ、長い下りに入るとちょっとアタックをかけてみる。700Cくらいの大径ホイールになると、下りでも安定しているので、とても安心だ。しかもよく転がるので、ハイギアが足りなくても、ちょっと勢いをつけてやるだけで、時速は60km/hを越える。
しばらく下って異変に気付いた。やたらとフロントから路面の振動がくる。あれっ、これって…? すぐに速度を落とし、フロントタイヤを見ると、見事にタイヤが潰れかかっている。
「パンクだ…」
なんてこったぃ。ま、いいでしょ。すぐにスペアと入れ替える。心配なのは先に下って行ってしまった人たち。転けたと思って心配するだろうなぁ。とりあえず、見ないだろうとは思いつつも、おのさんにメールを打ってみる。
10分程度ですぐに復帰。遅れを取り戻す。途中の待ち合わせポイントで合流。今度はおのさんがBD-1をひっくり返してなにかやっている。ヘッドパーツが弛んでいたらしく、点検とのこと。
一同は松原湖へ向けて、再び下りはじめた。
先ほどのパンクもあり、少しゆっくり目に下る。慌てて入れ替えたので、パンクの原因を突き止めていなかったのだ。もしかしたら、またパンクの可能性がある。一人なら幾らでもパンクはかまわないけれど、団体では一人の遅れは全員の遅れとなる。ただでさえ、時間が押している所へ、モタモタと時間を使ってしまっては、晩ご飯に間に合わない可能性もあるのだ。
この後の下りでは何事もなく、無事に松原湖駅へ到着。時間に余裕があるので、落ち着いて輪行準備。AMANDA 700Cは、泥よけやキャリアが付いているのだけれど、リアの泥よけを取るだけで、あれこれを外さなくても、輪行袋に入ってくれる。よって、普通のロードレーサーなんかと変わらない輪行準備ができるのだ。まぁ、重さはロードレーサーの比ではないけれど…。
下り途中にあるドライブイン(?)から見えた景色。凄く綺麗でした。
下りきった交差点から。もっと早く気付けば、良い場所で撮れたかもしれません。
そして5時半過ぎの小海線に乗って、野辺山へ。野辺山駅に到着すると、ここでようやく妻と合流。コンビニ&自販機でつまみと酒を買って、いざこっつぁんちへ。
松原湖駅。自転車のまま、ホームに入っちゃいます。この頃にはすでにこんなに暗くなっちゃいました。
今年も宿はこっつぁんち。妻は今回が初めてだ。ユースみたいな所なので、見知らぬ他人と同じ部屋になる可能性があることを、ちょっと気にしていたようだけど、おのさんの尽力で、なんと広い和室に二人で泊まることが出来た。
とにかく荷物を降ろして二人してホッと一息。惚けている間に、すぐに夕食だ。こっつぁんちの食事は、とにかく家庭的なメニューが多い。野菜類は自家栽培のようだし、近くの山で取れた山菜もあったりする。または、他の宿泊客からの差し入れも出たりする。今回は、何とイクラがあった!!!(あまりの感動に撮影も忘れた)
夕食の後はお風呂。ここ数回はずっと近くの温泉宿へ行っていたのだけど、今回はひさしぶりに内湯を借りた。知らぬ間に新しくなっていた。時間が押していたこともあり、のんびりはできなかったけど、なかなかこれもよかった。
お風呂の後はみんなで今日一日を振り返りつつ、あれやこれやで盛り上がった。
こうして夜はふけて行き、11時くらいに就寝となった。
走行距離:約50km
平均速度:約13km/h
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タイヤ周長一覧(実測値)
STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測
Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm
BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm