夜中に何度か目が覚める。さすがに寝にくい。(笑) 午前2時過ぎに、寒くてようやくシュラフを取り出す。実はイスの上に、そのままで寝ていたのだった。
午前4時に一度起きようとするものの、外は真っ暗なので二度寝する。やや明るくなってきた5時過ぎに起きあがり、最後の食料であるカップラーメンを作る。コンロは便利だ。コーヒーも煎れ、上等の朝食のできあがり。
このバス停は、隣が公衆トイレなので、至れり尽くせり。すっかり準備も整った午前6時に2日目のスタート。
国道136号線を北上。道は昨日とまったく変わらず、上り下りの連続。朝っぱらから意識が飛びそう。しかし、上ったら上っただけの景色が堪能できる。これは結構な励みになる。
過去にも何度か日記などに書いているけれど、私は上り自体は好きじゃないと思っている。でも、峠と聞くと走りたくなる。原因はいろいろあると思うけれど、こういう綺麗な景色を見られるというのも、峠を上る理由のひとつだ。
他に、上ったときの達成感もあるし、下りの楽しさ、一日を終えたビールの美味さもある。それらを思えば、上りの辛さは我慢できる。
2時間ほど黙々と走り、コンビニで2度目の朝食。
午前9時前、土肥を越えて戸田村へ。県道17号へ入る。ここから険しさは増し、それまでの上り下りのサイクルが長くなった。上りに上って、海面に手が届くところまで下る。そのサイクルが長くなったのだ。
恋人岬なんぞに到着。用は無いぞ。(笑) そのまま通過。
しばらく進むと、今度は旅人岬というところに着いた。ううむ、どうもバカにされているような気がしてならない。(笑) 「はいはい、恋人のいない方はこちら〜」みたいな。私の周り、変人なら多いかもしれない。(おいおい)
午前10時過ぎ、戸田港。ここから先がまたすごい。これまで走ってきた道の集大成とでも言おうか、自転車の神様が「よくぞここまで走ってきた。これからお前の最後の力を見せてもらおう」とでも言っているかのような恐ろしい勾配が! 見た目、30度くらい(ホントに)の坂を目の前にして、しばし呆然。
ホントにこうなんです。ペットボトルで水平を出して撮影。その傾斜のすごさがわかりますか。
上るしかない。今さら引き返せないし。今までを考えると、距離もそれほど長いわけじゃないだろう。
ギアを落とし、ゆっくりと上っていく。二日目ということもあり、心拍には余裕があるものの、さすがに脚に来ている。目標心拍を越えることは出来ない。もちろん、越えちゃいけないのだけど、試しに越えさせてみようか…というほどの力は出てこない。
午前11時15分、やーっと、上り切る。井田トンネルだ。戸田港からの距離はそれほど無いのだけど、1時間以上かかった。距離は5kmくらいか。(笑) 平地なら15分だ。
これを過ぎると沼津入り。再びじゃじゃ馬のように暴れるAMANDAをなだめつつ、一気に下る。腰を引き、ハンドルに体重を乗せないようにして、自転車だけで下るような乗り方をすると、素直に下ってくれる。しかしこの速度域で暴れ出したらお終いだ。わずかに挙動がおかしくなるとブレーキング。全身をセンサーのようにして、まったく気を抜けない。それがかえって自分に自制心が働いて、安全なのかもしれない。
午前11時半、江梨。この辺りから道はほぼフラットに。海岸線の景色を楽しみながら走ることが出来るし、ペースも上げられる。なんだか、ここでやーっとサイクリングをしている気持ちになってきた。海の先に見える富士山を楽しみつつ、三津へ。ここから県道130号線に入って、伊豆長岡方面へ。ここでまた温泉に入ろうという算段だ。
見つけた温泉は「華の湯」というところ。なんか見たことあるなと思ったら、以前に来たことがあるぞ。なんたる偶然。
ここから三島までは10km強くらいか? 時間は余裕があるし、少しのんびり。
午後1時半に三島へ向かって走り出す。しかしまたここで道に迷う。地図と、道路標識が違っていたのだ。地図上ではなんにも記されていないのに、道路標識にはしっかりと136号線とある。当然そこへ進むが、そこはバイパスで自転車通行禁止。ワケが分からず、国道414号線へ逸れ、思い切り大回りをして三島へ戻ることになる。これでまた大汗。
午後2時45分に三島駅頭着。さすがに疲れてしまったので、帰りは新幹線にした。午後3時10分の東京行きへ乗り、爆睡。でも1時間だけ。午後4時10分過ぎ、東京駅に到着。これにて今回のツーリングは終了。おつかれ。今夜はきっとよく眠れるに違いない。
走行距離 118.73km
走行時間 7h15m
平均速度 16.3km/h
最高速度 52.7km/h
全走行距離 240k77m
全走行時間 14h54m
全平均速度 16.1km/h
今回は、本当に思いつきで出かけてしまった感じだったのだけど、なんとかなりました。 自転車というのは自由な乗り物です。だから、綿密に計画を立て、宿を予約し…なんていうのは、違うと思っています。確かに、無計画はいけませんが、自転車は計画通りには進めないし、宿を予約してしまえば、そこへ行かなければならないし、それだけで行動に制限がかかってしまいます。
しかし、関東近郊のキャンプ場というのは、オートキャンプがほとんど。飛び込みで泊まれる可能性はものすごく薄いのです。かといって、野宿をするにも、そうそういい場所はないし、近くに民家などあろうものなら、警察に通報されてしまうかもしれません。
今回は運良く、屋根のあるところで眠れましたが、毎度こう上手くいくとも限らないでしょう。いつもいつも、どこで眠るかというのには悩まされます。それでもまだ、日本は良いのかもしれません。いろいろと不自由はあるけれど、だからこその旅。何もかもが上手く進んでしまったら、それこそ面白くはないでしょう。
トラブルはひとつずつでも克服する。これもまた、旅の醍醐味です。そういう意味では、今回の伊豆半島一周は、非常に楽しめたツーリングでありました。
このツーリングのあと、AMANDAさんへ寄っていろいろとお話を伺ったのですが、やはりこの自転車には10kgと言えども、荷物を積載するのは難しいようです。オーダーするときに「10kgくらいの荷物は積みます」とは申し出ていたものの、構造上、どうしても前後に重量が散らばるのは苦手とするのです。
重量を、出来るだけ体に近づけるならば、なんとかなるらしいのですが、それにも限界があります。この自転車はやっぱり、基本的に空荷で、その軽い走行感を楽しみながら走るものなのでしょう。
ということで、次はちゃんと荷物を積める自転車が欲しくなってきました。(^^;
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タイヤ周長一覧(実測値)
STRiDA LT (Primo Comet 16inch 1.35 HE 37-305) : 未計測
Raleigh RSW Special (Primo comet 20inch 1.35 HE 37-406) : 1450mm
BROMPTON S2L (SCHWALBE KOJAK 16inch 1 1/4 WO 32-349) : 1280mm